変わってない ページ30
私が押し黙っていると、ハクは重かったかなと言って笑った。
「まぁ、だから今でも唇の赤い女は苦手だよ。奴に似ているし、血の色を思い出す」
「……ハクは凄いね。私だったら狂ってる」
「まぁ、あの時の経験があるから今はどんなクレーマーにも対処できる自信がある。それに、滅多なことでは揺らがなくなったしね」
「良いこともあるんだね」
私が感想を述べると、彼は「Aには蹂躙されてばかりだったけどね」と微笑んだ。迷惑ばかりかけてきたのは事実なので、私は小声でごめんなさいと謝る。
ハクはあまり他人を頼らない。普段は冷静で、厳しくて、そして優しい。彼の人格(神格?)がそのような過程を経て形成されているというのはなんだか頷ける話だった。
それよりも、私は静という人への憎しみに駆られた。きっともう何百年も前の話なんだろうし、彼女は地獄に落ちたらしいけれどハクにそんなことをしておいてただでは済ませたくない。
……八百万の神様、心が汚い子でごめんなさい。
「まぁ、その師匠とは今でもたまに会うけどね」
「仲良いの?」
「いや、大嫌いだ。……白澤様だよ」
私は一瞬耳を疑い、横になった姿勢から彼を疑り深く見上げた。でも彼はとても嘘を吐いている様子には見えなかったし、聞いた話からして「師匠」の像は白澤様とぴたりと結び付いた。そもそも白澤様は妖怪だったのか。
……というか、そんな昔から変わらず周りの人々に迷惑をかけ続けてきたんだ。恨むなら静よりも事の発端である白澤様を恨むべきではないか。
とりあえず、今度湯屋に来たら高いサービス料金ふんだくってやろう。
「そなたは、もうカオナシと……」
ふとハクが口を開いた。私が顔を向けると、彼は言いづらそうに言葉に詰まって目を逸らした。目で促しても何も言わない。どうやら言いたくないようだった。
「何でもない」
「話しかけておいて何よ」
「……だから何でもない」
それからハクはいきなり不機嫌になり、口を開かずに黙りこくった。私のお腹に置いた彼の手は、最初はひんやりとしていたのに今は体温が移ってほの温かかった。
その後、つわりはあるのかやいつ頃気が付いたのかなど事務的な質問をされた。
流石にそろそろお腹が冷えてきたかな。
もし赤ちゃんがいるとしたら、あまり身体を冷やすのはよくないのではないだろうか。
と、思考回路を反芻して私は、自分が最初は恐怖しか抱いていなかった妊娠の可能性に若干の希望を抱いていることに気が付いた。
★ハクちゃまの秘密★
おかっぱと言われると腹が立つ。
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モッケ - 本当にごめんなさい、許してください (2015年6月27日 13時) (
レス) id: 7cabc5d692 (このIDを非表示/違反報告)
星宙(プロフ) - 季紀さん» 年がら年中からかわれてたら嫌になるもん！ おかすぃくないよー♪ やっちゃった…美影さん犯罪に手を出してしまった…←笑笑 (2015年5月23日 20時) (レス) id: d32e317eb5 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 星宙さん» からかいづらいと言われて喜ぶ人も私は初めて見た♪ おかすぃー♪ ハクさんピンチだね! 美影さんやっちゃってるし! (2015年5月23日 19時) (レス) id: 61b5a6cbc1 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 朱雀@忙しす先輩さん» テスト一週間前に修学旅行(TT) ね、あてちゃってるよね笑 (2015年5月23日 19時) (レス) id: 61b5a6cbc1 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 杜さん» そこまで言って頂けて嬉しい(笑) ハク落ちになったら美影を、美影落ちになったらハクの中編をそれぞれ書く気でいます。夢主は変わりますがね(^^; (2015年5月23日 19時) (レス) id: 61b5a6cbc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kiki
| 作成日時：2015年4月8日 18時
