変なこと ページ27
「変なことしないでよね」
「失礼な」
言った矢先からハクが私の服の裾へと手を伸ばした。身体の前と後ろを腕で挟むような姿勢になり、慌てて私は服を上げられないように手で押さえた。
「ちょっと、何すんのよ!」
「だから腹を出せと」
「それ以外に方法はないの?」
「ない」
「え、やだ、お願いやめて! 太ってるから!」
「そなたが太っていないことは閨を共にした私が保証してやろう」
「調子の良いことを」
「互いの身体を知らぬ仲でもないだろう」
「えっだからっいやああああ!」
ニワトリの断末魔のような私の叫び声を草原の風が遠くまで攫って行った。
結果、私はベンチの上にお腹を出して大人しく寝っ転がる羽目になった。草原の真ん中で何というシュールな図であろう。
お医者さんに触診される時のような恥ずかしさ。そして屈辱感。全く、このおかっぱは事を強引に押し進めるから困ってしまう。
せめてもの抵抗と私は彼の方を見ずに背もたれに顔を向けていた。板の間から豚舎と湯屋が遠くに見える。
「……時間が掛かるの?」
ひんやりとした手がお腹に触れた。思わずびくっとすると、ハクが怖がらないでと私を宥める。
「少々掛かるさ。神の力を使ってもな」
「その神の力って具体的にいうとどんなものなの?」
「科学的にいうと特殊な音波のようなものを当てて反響させるんだけど、邪魔な情報が混じると分からなくなってしまうから余計な物質の原子と原子の組み合わせを変異させることで音波を速やかに通過できるようにしているんだ」
「……神様だってのに夢も何もないね。てか、それって違う分子を作るってことでしょ。私危ないんじゃないの?」
「そここそが神の力の見せ所だ。人体に何ら影響はない。ああ、もしかしたら終わった頃には少し体重が落ちているかもしれないけれど」
「それは嬉しい限りです」
手が優しくお腹の上を撫でた。ああ、もっとダイエットしておけばと思っても後の祭りである。
……本当に子供がいるのかな。いたらどうしよう。
胸がドキドキしてきた。
こんな歳の私にも子育てなんて出来るのかな。いや、それよりも出産の時に伴うという痛みの方が恐い。最初は指を入れられただけで痛かったのに、私に耐えられるのだろうか。
「……いるとしたら、どんな子供なのかな」
1人で考えるのが怖くなったせいか、ついハクに尋ねてしまった。背もたれから顔を反対へ向けると、ハクは瞳を伏して柔らかく微笑んでいた。繊細な髪が草原の風に吹かれている。
★ハクちゃまの秘密★
おかっぱと言われると腹が立つ。
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モッケ - 本当にごめんなさい、許してください (2015年6月27日 13時) (
レス) id: 7cabc5d692 (このIDを非表示/違反報告)
星宙(プロフ) - 季紀さん» 年がら年中からかわれてたら嫌になるもん！ おかすぃくないよー♪ やっちゃった…美影さん犯罪に手を出してしまった…←笑笑 (2015年5月23日 20時) (レス) id: d32e317eb5 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 星宙さん» からかいづらいと言われて喜ぶ人も私は初めて見た♪ おかすぃー♪ ハクさんピンチだね! 美影さんやっちゃってるし! (2015年5月23日 19時) (レス) id: 61b5a6cbc1 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 朱雀@忙しす先輩さん» テスト一週間前に修学旅行(TT) ね、あてちゃってるよね笑 (2015年5月23日 19時) (レス) id: 61b5a6cbc1 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 杜さん» そこまで言って頂けて嬉しい(笑) ハク落ちになったら美影を、美影落ちになったらハクの中編をそれぞれ書く気でいます。夢主は変わりますがね(^^; (2015年5月23日 19時) (レス) id: 61b5a6cbc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kiki
| 作成日時：2015年4月8日 18時
