優しい祝福 ページ22
数日後の夜、私が布団を敷いて寝支度を進めていると同室の湯女に話し掛けられた。
「(人1)、顔無様に身請けされたってのは本当?」
「……え!?」
私は驚いて、思わず腕に持っていた枕を取り落とした。何故知っているのだろう。
「だ、誰から聞いたんですか!?」
「誰も何も、湯婆婆が教えてくれたよ」
「うっそぉ……」
多分大金が舞い込んで気分が高揚しているのだろう。口止めしたところで素直に聞くとは思えなかったけれど、流石にこうも早く言い触らすとは予想できなかった。出来るだけ皆に知られたくなかったのに。
……また、悪口とか言われるのかな……
私は暗くなって頭を垂れた。
「……ごめんなさい」
そう言うと、相手は何を謝るのと笑って私の背中を叩いた。
「めでたいじゃない。私等は(人1)にお祝いの言葉を言おうと思ってたのよ」
「そうそう。同室の湯女が身請けされるなんて縁が良いよ」
他の湯女も聞き耳を立てていたらしく、私を振り返っておめでとうと口々に述べてくれた。ミナさんもその中の1人だった。その表情は優しくて悪意はどこにも含まれていない。
私は戸惑って全員を見回した。
「……怒らないんですか?」
「寧ろ何で怒るのよ。ああ、後輩に先を越されちゃったってこと?」
「大丈夫よ、私は100万元ですぐに身請けて貰うから」
誰かの言葉に、皆があんたそれは無理だよ、と口々に突っ込んだ。部屋に笑いが満ちている。
――少し前までハクと付き合っていたのは皆が知っていることだから、尻軽女とか言われるかと思っていたのに。悪口を言う人も中には居てもおかしくないのに笑顔で送り出してくれるのは大人の女の余裕だろうか。
いずれにしても嬉しいことこの上ない。
こんな対して仕事の役にも立っていない私を祝福してくれるなんて。
「……ありがとう」
少しだけ涙ぐんでしまった。誰かが肩を抱いてくれる。女性特有の甘い良い香りがふわりと私を包んでくれた。
「きっと、(人1)がハク様と付き合ってたのはきっと脅されるか何かしていたんでしょう? 顔無様は問題もあるけど太っ腹だし、ちゃんと貴女を幸せにしてくれるわ」
「え、別にハクとはそういう訳じゃ……」
「あ、私も思った! ハク様って顔はすこぶる良いけど性格最悪だもんね。一時期女遊びひどかったし」
「(人1)もハク様に純潔を奪われちゃってかわいそう〜」
……ハクは良い人なのに。
私が違う意味で泣きそうになっているのを見て、湯女達は慌ててごめんと謝ってくれた。
★ハクちゃまの秘密★
おかっぱと言われると腹が立つ。
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モッケ - 本当にごめんなさい、許してください (2015年6月27日 13時) (
レス) id: 7cabc5d692 (このIDを非表示/違反報告)
星宙(プロフ) - 季紀さん» 年がら年中からかわれてたら嫌になるもん！ おかすぃくないよー♪ やっちゃった…美影さん犯罪に手を出してしまった…←笑笑 (2015年5月23日 20時) (レス) id: d32e317eb5 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 星宙さん» からかいづらいと言われて喜ぶ人も私は初めて見た♪ おかすぃー♪ ハクさんピンチだね! 美影さんやっちゃってるし! (2015年5月23日 19時) (レス) id: 61b5a6cbc1 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 朱雀@忙しす先輩さん» テスト一週間前に修学旅行(TT) ね、あてちゃってるよね笑 (2015年5月23日 19時) (レス) id: 61b5a6cbc1 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 杜さん» そこまで言って頂けて嬉しい(笑) ハク落ちになったら美影を、美影落ちになったらハクの中編をそれぞれ書く気でいます。夢主は変わりますがね(^^; (2015年5月23日 19時) (レス) id: 61b5a6cbc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kiki
| 作成日時：2015年4月8日 18時
