ダム、崩壊 ページ3
どんな神様なのか気になり、後ろをちらと振り返ろうとした。だが、そうする前に、床に何かをドサッと置く音が響き胸に腕が回ってきて温かい身体にぎゅっと抱き締められた。縁側に座っている身体を黒いパンツに包まれた長い脚が挟む。
「A! 会いたかった!」
「……え?」
柑橘系の良い香りが広がった。
待って、この声は。久し振り過ぎて思い出せない。待って、でも誰か大切な人。
私の脳は暫く情報の渦に悩まされた後、1人の人物を絞り出した。
「……美影さん?」
「久し振り。1カ月御無沙汰してました」
そっと後ろを振り返って見上げると、美影さんが妙に爽やかに微笑んでいた。どこか暗いオーラを纏った以前の彼と雰囲気が違う。それに、もっと大きな何かが私に違和感を感じさせるのだ。
私は戸惑って彼の全身を眺めた後、あることに気が付いて目を丸くさせた。
「美影さん、今日は着物じゃないんですか? 湯屋では豪く浮いてますけど」
「ははっ、だって洋服動きやすいんだもん」
そういう彼は、黒のパーカー、ミリタリー色の強いジャケットに甲の低いスニーカーと現世の装いをしていた。和服姿と違って少し健康に見える。
何だか、雑誌のスナップに乗りそうなお洒落なイケメンという印象だった。
「人って服でこうも変わるんだ」
「最近では神社だけじゃやってけないし、湯屋と共同でビジネスをする話があって現世に視察に行ってたんだ。暫く振りだと色んな物が変わってて楽しかったよ」
「へぇー。ちょっと想像出来ない」
「今度一緒に行こう。暫く僕に会えなくて寂しかったでしょ? おるしゅばんご苦労ちゃまでした」
彼は何故か赤ちゃん言葉になり、私を足の間に挟んだままで頭を撫でてきた。何だか普段のネガティブな彼と大きく異なる爽やかさに面食らい、返す言葉に困った。
でも、美影さんである事には変わらない。久し振りに仲の良い人に会えると気が緩んで、同時に涙腺も緩んだ。私はそれを隠そうとして、身体を反転させて美影さんに抱き着いた。
「本当、美影さんのいない間に色んなことあって、寂しかったんですよ!」
「A!? ど、どうし」
「会いたかったんだから……ッ」
駄目だ。1度緊張が切れてしまうと。
涙腺を熱い涙が込み上がってきて、ついには頬へと零れ落ちた。
この人は、私の敵じゃない。そんな風に、心から安心できるからか。
美影さんの胸を借りて、この3週間分の涙を存分に流れ出させた。大きな嗚咽が漏れても最早気にならなかった。
★ハクちゃまの秘密★
おかっぱと言われると腹が立つ。
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モッケ - 本当にごめんなさい、許してください (2015年6月27日 13時) (
レス) id: 7cabc5d692 (このIDを非表示/違反報告)
星宙(プロフ) - 季紀さん» 年がら年中からかわれてたら嫌になるもん！ おかすぃくないよー♪ やっちゃった…美影さん犯罪に手を出してしまった…←笑笑 (2015年5月23日 20時) (レス) id: d32e317eb5 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 星宙さん» からかいづらいと言われて喜ぶ人も私は初めて見た♪ おかすぃー♪ ハクさんピンチだね! 美影さんやっちゃってるし! (2015年5月23日 19時) (レス) id: 61b5a6cbc1 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 朱雀@忙しす先輩さん» テスト一週間前に修学旅行(TT) ね、あてちゃってるよね笑 (2015年5月23日 19時) (レス) id: 61b5a6cbc1 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 杜さん» そこまで言って頂けて嬉しい(笑) ハク落ちになったら美影を、美影落ちになったらハクの中編をそれぞれ書く気でいます。夢主は変わりますがね(^^; (2015年5月23日 19時) (レス) id: 61b5a6cbc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kiki
| 作成日時：2015年4月8日 18時
