Too Expensive! ページ20
それって、有意義に使おうと思えばビルが何個か建つ値段ではないだろうか。
「み、美影さん、私美影さんがそんなお金持ちだって知りませんでしたよ!?」
「一時期天照大神のとこでバイトしてたからねぇ。あそこ給料良いんだ」
「突っ込む所がありすぎなんですけど! とりあえず、そんな大金私なんかの為じゃなくてもっと大切なことに費やしてください!」
「僕にとってはAが1番大切な人だけど」
両手首をぐいと掴まれた。途端に自由が利かなくなる。
片手を向こうの方へ引っ張られて、私は足をもつれさせて美影さんの胸元へ倒れ込んだ。もう片方の手を掴んでいた手が離れ、腰を抱いて引き寄せた。
「おい、イチャつくんなら外でやりな。鬱陶しくて堪らんよ」
魔法を使えば良いのにいそいそと電卓を取り出して何かを計算している湯婆婆が苦情を付けた。私は美影さんに引かれて書斎から出る。
「美影さん、本当にもったいないです! それは駄目!」
「……僕は湯屋の上客だったから、湯婆婆も収入源を失いたくないんだよ。まぁ、これから湯屋に来なくなったら大部分の浪費はなくなるからさ。Aと暮らす生活の対価への前払いだと思えば良い」
「……そんな」
優しすぎる。美影さん、優しすぎます。
申し訳ないと思う気持ちがどっと溢れてきて、私は思わず俯いた。美影さんはふっと笑い、私の腰に回していた腕を解いた。
私は何を言えば良いのか分からなくて、握りしめた拳にぎゅっと力を入れた。
本当に美影さんと結婚するんだ。1000万という大金で身請けて貰った以上、それを覆すことはできない。
妊娠しているかどうかは定かではないけれど、私が身重の身体で現世に戻ったって皆に奇妙がられるだけだろうし、両親からは勘当されるかもしれない。元恋人のハクだって行く行くは千尋と結婚するのだから、私が生きてゆくのに他に方法はないのだけれど。
神様との結婚生活ってどんなものとか、どこで暮らすのとか考えれば考える程に疑問は浮かび上がってくる。
でも、今一番鮮明に分かっているのは、私に1000万は勿体ないこと、近い将来に美影さんと結婚すること、それから……どんどんハクとの距離が遠く開いていっていることだ。
私は湯婆婆の書斎の方を振り返った。重厚な扉が目に入る。
まだ湯屋に来て最初の頃、湯婆婆が私に床を取らせようとしたのにハクは激怒して、ここまで一緒に交渉に来てくれたんだっけ。今ではもうはるか遠い記憶のように感じられた。
★ハクちゃまの秘密★
おかっぱと言われると腹が立つ。
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モッケ - 本当にごめんなさい、許してください (2015年6月27日 13時) (
レス) id: 7cabc5d692 (このIDを非表示/違反報告)
星宙(プロフ) - 季紀さん» 年がら年中からかわれてたら嫌になるもん！ おかすぃくないよー♪ やっちゃった…美影さん犯罪に手を出してしまった…←笑笑 (2015年5月23日 20時) (レス) id: d32e317eb5 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 星宙さん» からかいづらいと言われて喜ぶ人も私は初めて見た♪ おかすぃー♪ ハクさんピンチだね! 美影さんやっちゃってるし! (2015年5月23日 19時) (レス) id: 61b5a6cbc1 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 朱雀@忙しす先輩さん» テスト一週間前に修学旅行(TT) ね、あてちゃってるよね笑 (2015年5月23日 19時) (レス) id: 61b5a6cbc1 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 杜さん» そこまで言って頂けて嬉しい(笑) ハク落ちになったら美影を、美影落ちになったらハクの中編をそれぞれ書く気でいます。夢主は変わりますがね(^^; (2015年5月23日 19時) (レス) id: 61b5a6cbc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kiki
| 作成日時：2015年4月8日 18時
