Become a Dad ページ14
リカさんが私達2人を若いって良いわね、と微笑みながら見つめていた。リカさんだって充分若いはずなんだけど。
と、怒った表情の美影さんが再び私の隣に腰掛けた。
「それにしても、あのクソ竜本当に許せない」
「え?」
「だって、要するにヤリ逃げってことでしょ?」
美影さんは忌々しげに大きく息を吐いた。私はきょとんと彼を見つめてから、それがハクのことを指しているのだと分かった。
使い終わったちり紙の山を纏めて作務衣のポケットに入れる。
「仕方ないですよ、だってハクはこのこと知りませんもん」
「は? 何で?」
「……ハクに知られたくない」
千尋の婚約者となったハクに。
別れた恋人の子供を身ごもんでいるかもしれぬとあの2人に知られる程惨めなことはない。これを利用しようと思えば2人の仲を引き裂くことも可能なのかもしれないけれど、そんなことをしたとして誰も幸せになれるとは思えなかった。ハクが心から千尋を愛しているのなら尚更だ。
「ハクのことは諦めな。所詮それ程の男だったってことでしょ」
「……」
「顔無様、それはちょっと(人1)が可哀想よ」
リカさんがやんわりとした口調で間に入ってくれる。そうだとかそうじゃないとか2人が言い争うのが聞こえた。
本当に、そうなのだろうか。もしハクなりに理由があったとしたら。
そう考えてしまう私は馬鹿なのだろうか。
庭の綺麗な緑の木々の広がる視界に影が差しかかる。美影さんが私を覗き込んでいた。
「……ハクと復縁したいって思ってるの?」
癖がかった黒髪の奥から切れ長の瞳がじっと私を見つめていた。
私は少し目をぱちぱちとさせて考え込む。
「……復縁は、いいです」
「本当に?」
「はい」
これからも幾度となく泣きたくなる夜は訪れるかもしれないけれど、年月と共にそれも忘れることが出来るだろう。ハクとの幸せな思い出だけ抜き取ってたまに思い出せれば、それで良い。
問題は子供のことだ。本当に妊娠している可能性はかなりの率だろう。その場合、もし私が子供を宿して数年振りに人間界へ帰ったとしても周囲はそれを受け入れないかもしれない。おまけに向こうの世界とこちらでは流れる時間がかなり違うらしいから、更に厄介なことになる。
この世界で、どこかひっそりと暮らしてゆける場所はないだろうか。
そう思った時、美影さんがぐいと私に顔を近付けた。
「じゃあ、僕がパパになるよ」
両肩を大きな手で包まれる。
最初意味が分からず、私は思わずえ、と訊き返した。
★ハクちゃまの秘密★
おかっぱと言われると腹が立つ。
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モッケ - 本当にごめんなさい、許してください (2015年6月27日 13時) (
レス) id: 7cabc5d692 (このIDを非表示/違反報告)
星宙(プロフ) - 季紀さん» 年がら年中からかわれてたら嫌になるもん！ おかすぃくないよー♪ やっちゃった…美影さん犯罪に手を出してしまった…←笑笑 (2015年5月23日 20時) (レス) id: d32e317eb5 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 星宙さん» からかいづらいと言われて喜ぶ人も私は初めて見た♪ おかすぃー♪ ハクさんピンチだね! 美影さんやっちゃってるし! (2015年5月23日 19時) (レス) id: 61b5a6cbc1 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 朱雀@忙しす先輩さん» テスト一週間前に修学旅行(TT) ね、あてちゃってるよね笑 (2015年5月23日 19時) (レス) id: 61b5a6cbc1 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 杜さん» そこまで言って頂けて嬉しい(笑) ハク落ちになったら美影を、美影落ちになったらハクの中編をそれぞれ書く気でいます。夢主は変わりますがね(^^; (2015年5月23日 19時) (レス) id: 61b5a6cbc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kiki
| 作成日時：2015年4月8日 18時
