髪に涙が ページ13
「妊娠してるかもって気が付いてから、ずっと不安だったでしょ? よく頑張った」
「え……」
驚いていると、肩をぽんぽんと大きな手で優しく叩かれた。
……私のこと嫌にならないの?
「大丈夫、何があったってAはAだよ。妊娠くらいどうってことない」
「……ッそんな、こと、ない」
「それくらいで誰もAのことを嫌いにならない。少なくとも、僕とリカはそうだ。ミナだってね」
耳元で響くじんわりと温かみのある声に、思わず涙の激しさが増した。際限なくしょっぱい雫が瞳から零れてきて、頬に触れる美影さんの髪を濡らした。申し訳なくて私が後ろに引こうとしても、彼は更に強く身体を抱き締めてそうはさせなかった。
「そんな重大なこと、僕に話してくれて有難うね」
「……ッ別に……!」
泣きながらだと上手く話せない。つい美影さんの口癖を言ってしまう。
ミナさんがどうしているか気になって左に顔をずらすと、美影さんの白い頬に鼻先が当たってしまった。思ったよりも近い距離に驚き、私は慌てて前に向き直った。
美影さんは、それから私が少し落ち着くまでずっと抱き締めてくれていた。時には優しい言葉を掛けながら。
いざ落ち着いてみると、泣いている所を見せてしまったのが猛烈に恥ずかしくなって私は暫く俯いていた。
ようやくあらかたの涙が止まると美影さんは身体を離してゆっくりと立ち上がった。ずっと膝を突く姿勢をしていたので、足が痺れたのかしきりに足首を持ち上げていた。
こう見ると、元々年上がタイプである私の目に彼は凄くかっこよく映った。
「でもね、A言いたいことはあるよ」
「……! ふ、ふぁい」
泣いたせいで声がくもぐる。
私はニヤニヤした表情のリカさんが差し出してくれたちり紙で鼻をかみながら彼を見上げた。彼はさっきとは打って変わって少し怒った表情で私に諭した。
「まず、責任が取れないなら未成年同士の性行為は絶対ダメ! 取り返しのつかないことになるから!」
「……ハクは【ﾋﾟ――】歳ふぁって言ってふぁしたよ」
「でも、あいつだって湯婆婆の弟子で君に対して何か出来るって訳じゃないんだから。そんでもってやる時は絶対に避妊をする! 望まない妊娠絶対NO!」
「……ふぁい」
この世界に避妊具なんてあったっけ、と思いながらとりあえず頷く。鼻が詰まっているせいで何とも力の抜けた声になる。
まさか中学校の保健体育でやるような授業を美影さんの口から聞くことになるなんて。
★ハクちゃまの秘密★
おかっぱと言われると腹が立つ。
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モッケ - 本当にごめんなさい、許してください (2015年6月27日 13時) (
レス) id: 7cabc5d692 (このIDを非表示/違反報告)
星宙(プロフ) - 季紀さん» 年がら年中からかわれてたら嫌になるもん！ おかすぃくないよー♪ やっちゃった…美影さん犯罪に手を出してしまった…←笑笑 (2015年5月23日 20時) (レス) id: d32e317eb5 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 星宙さん» からかいづらいと言われて喜ぶ人も私は初めて見た♪ おかすぃー♪ ハクさんピンチだね! 美影さんやっちゃってるし! (2015年5月23日 19時) (レス) id: 61b5a6cbc1 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 朱雀@忙しす先輩さん» テスト一週間前に修学旅行(TT) ね、あてちゃってるよね笑 (2015年5月23日 19時) (レス) id: 61b5a6cbc1 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 杜さん» そこまで言って頂けて嬉しい(笑) ハク落ちになったら美影を、美影落ちになったらハクの中編をそれぞれ書く気でいます。夢主は変わりますがね(^^; (2015年5月23日 19時) (レス) id: 61b5a6cbc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kiki
| 作成日時：2015年4月8日 18時
