選択の余地はない ページ11
気付かれていたらどうしよう……
「み、美影さんまだいらっしゃったんですか?」
「……Aに渡す物があったから」
「え?」
渡す物って何だろう。特に何の約束もしていないはずだけどな。
不思議に思うと、美影さんは私から顔を逸らして後で渡す、と言った。そしてリカさんに向き合う。
「ねぇ、僕はこの子の上客だし知る権利はあるはずだよ。ただの女同士の内緒の話だったら良いけど、絶対それだけじゃないでしょ」
「何でそう思われるのかしら?」
リカさんは余裕の表情を崩さない。すごい、私だったら絶対混乱してしまっている。
「この何日かAは元気がないって皆噂してるよ。大体の奴らはハクと千の婚約が原因だと思ってるけど、それだけが理由じゃないんじゃないの」
「……」
鋭い。でも、今の私には彼の勘の良さが辛い。
リカさんがどうする? とでも言うように私を振り返った。私は必死にぶんぶんと首を振る。
嫌だ。美影さんに知られたくない。子供がいるかもしれない、なんて。
「……(人1)、いずれは分かる話よ?」
リカさんが小声で話し掛けてきた。彼女がちゃんと私のことを考えてくれているのは分かる。でも、私自身この状況に混乱していたし大きな罪悪感を感じていたから誰にも知られたくなかった。
「嫌」
「(人1)、顔無様はちゃんと貴女のことを考えてくれているわよ。彼に相談したら、新しい道が開けるかも」
「で、でも……ッ」
確かに美影さんなら親身になってくれるかもしれない。でも、この期に及んで私はまだ話すことを尻込んでいた。
と、リカさんが周りの従業員達が聞き耳を立てているのに気が付いた。彼女は場を移しましょうと言い、美影さんと私の手を引っ張って庭の方へと歩き出した。あの場所では誰かに聞かれた途端噂が広まってしまう。
今の私、リードに引かれて無理矢理散歩に連れて行かれる犬みたいだ。
心臓がドキドキしてくる。
庭の楓の木の下に来ると、橋の前の喧噪とは離れ涼やかな風が吹いていた。木の下にあるベンチに、私を中心にして3人で腰掛けた。2人の視線が痛い。
「ねぇ、(人1)。気持ちは分かるけれど、そのままじゃ何も始まらないわ」
左側からリカさんが。
「そうだよ。何でも良いから、遠慮しないで全部話して」
右側から美影さんが。
私は委縮して腕を身体のすぐ横にぴったりと付けて俯いた。
……話さなければいけないんですか。
小学生の頃の先生に怒られる時と同じ感覚だ。
目に少し涙が滲んだ。
★ハクちゃまの秘密★
おかっぱと言われると腹が立つ。
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モッケ - 本当にごめんなさい、許してください (2015年6月27日 13時) (
レス) id: 7cabc5d692 (このIDを非表示/違反報告)
星宙(プロフ) - 季紀さん» 年がら年中からかわれてたら嫌になるもん！ おかすぃくないよー♪ やっちゃった…美影さん犯罪に手を出してしまった…←笑笑 (2015年5月23日 20時) (レス) id: d32e317eb5 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 星宙さん» からかいづらいと言われて喜ぶ人も私は初めて見た♪ おかすぃー♪ ハクさんピンチだね! 美影さんやっちゃってるし! (2015年5月23日 19時) (レス) id: 61b5a6cbc1 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 朱雀@忙しす先輩さん» テスト一週間前に修学旅行(TT) ね、あてちゃってるよね笑 (2015年5月23日 19時) (レス) id: 61b5a6cbc1 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 杜さん» そこまで言って頂けて嬉しい(笑) ハク落ちになったら美影を、美影落ちになったらハクの中編をそれぞれ書く気でいます。夢主は変わりますがね(^^; (2015年5月23日 19時) (レス) id: 61b5a6cbc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kiki
| 作成日時：2015年4月8日 18時
