懐かし獣 ページ21
あれから、ロボロに連れられてホールにたどり着いた私は使い魔召喚を行っていた。
ロボロと一緒に到着した際は、周りからざわざわといわれのないことを言われたりもした。
が、思いっきりロボロが「お前らに何が分かるんや！」と怒鳴ってくれたお陰で静まった。
正直、ロボロの立場が危うくなるんじゃないかとヒヤヒヤしていたが杞憂だったようで。
周りの人はそれ以降言葉を発さずに、黙々と先生の話を聞き使い魔召喚の儀に集中していた。
私もようやく静かに授業を受けられるってもんよ。
今は、私の前の順番の人がサラマンダーを召喚したところだ。
サラマンダーは火のトカゲなんだけど、まだ赤ちゃんぽくて結構可愛かった。
「次はシュヴァリエ嬢、前へ！」
『はい』
先生に呼ばれ、一歩踏み出す。
「まずこの魔方陣の外に立って。そしたら、召喚したい使い魔を思い浮かべながら説明の時に言った呪文を唱えてね。オッケー？」
『分かりました、コンタミ先生。』
コンタミ先生から説明を受け、魔方陣の側に立つ。
そして、召喚したい使い魔を思い浮かべながら魔方陣に手をかざす。
…どうせなら可愛いの召喚したいな。
いや、カッコいいのも捨てがたい……。
「汝、我に使える魔獣なり。我の盾となり矛となり、そして友となりて我が側で一生を過ごすことを命ず。さあ、我に答えよ我が使い魔よ！」
唱え終わった瞬間、魔方陣が目映い光を放つ。
思わず手で顔を庇って目をつむる。
やがて光が収まり、ゆっくり目を開けるとそこには信じられない光景があった。
三匹の獣が頭を垂れて、魔方陣の真ん中に存在していたのだ。
普通、使い魔とは一人に多くて２匹までだ。
三匹も居るのは滅多にというかそもそも有り得ないことだ。
『え………？』
絶句していると、一匹が口を開いた。
「A様の命に従い、我らは馳せ参じました。これからは使い魔として貴女を護ることを誓いましょう。」
そう喋ったのは白い美しい狐だった。
「これからよろしくねー、主様！」
続いてかなりフランクな喋り方をしたのは、茶色の雄々しいオオカミだった。
「……よろしく。」
そして最後に言葉少なに声を発したのは、赤い目が美しい黒猫。
……めっちゃ個性的な使い魔たち呼び出してしまったんやが？？
困惑していた私は、白い狐の更なる言葉に追い討ちをかけられる。
「またお会いできて光栄ですわ、お嬢様。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 507人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
り〜。 - 気が付いたら一気読みしてました！更新頑張ってください！！ (3月14日 9時) (
レス) id: de8cd53295 (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわ - フクスちゃんかわいい…！大好きです！更新頑張ってください！ (2022年10月23日 7時) (レス) @page22 id: 1e2af6a07a (このIDを非表示/違反報告)
たぴくん - 初コメ失礼します！好きです。使い魔可愛いです！一気読みしちゃいました。更新頑張ってください！ (2022年9月7日 18時) (レス) @page22 id: f184817549 (このIDを非表示/違反報告)
ネコの大罪@転生２度目(プロフ) - ルレスさん» ルレス様ありがとうございます！ (2022年8月11日 9時) (レス) id: 3ee4689f87 (このIDを非表示/違反報告)
ルレス - 初コメ失礼致します。ストーリー性とても好きです！悪役令嬢もの大好きなのでこの作品を見れて嬉しいです!これからも更新等頑張って下さい!! (2022年8月11日 3時) (レス) id: 31e5292d2b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
