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ホールへ行く道すがら。
ふとぽつりと、疑問を口に出してロボロに聞いていた。
『……なぜ、こんなにも私に構うのですか?貴方の過去がそうさせているらしいというのは察しました。……でも、貴方は有名なクライン家のご子息。そこまで執着する過去があったのですか?』
そう言うと、ロボロは段々と歩みを遅めついには立ち止まってしまった。
これはまずいことを言ってしまったか?
焦ってロボロの顔を覗こうと踏み出した瞬間、ロボロがこちらを振り返った。
そして、時間を確認して周りを確認したあとでこちらを見た。
『クライン様……?』
「あ、あんな……。その、えっと。」
しばらく目を泳がせ、そして意を決したようにこちらを真っ直ぐ捉え話し出した。
「……俺には、兄さんがいてん。」
『お兄様、ですか?』
「おん。……兄さんはな、俺が殴られそうになっても罵倒されそうになっても、いつも庇ってくれてん。俺は、そんな兄さんの背中を見て、そんな勇敢な人になりたいって思ったんや。」
『ちょ、ちょっと待ってください。
クライン家は一人息子以外居ないはずでは……!?
それに、クライン家は仲が良いと聞いていますが……』
ロボロの話を慌てて遮る。
私がさっき言った通り、クライン家には一人息子であるロボロ以外子供は居ないはずなのだ。
それに、他の貴族にまで溺愛具合が伝わってくるくらいの子供好きだ。
それなのに、兄がいたこと、殴られていたこと……どうにも話が合わない。
ゲームの設定でも、そんな過酷な環境にロボロがいただなんて書かれていなかった。
一人混乱しているとロボロは続けてこう言ったのだった。
「限られた人にしか明かして無いんやけど。俺な、実は……オークションで売られた子供やねん。」
『……え?』
さすがに耳を疑った。
この世界に闇オークションなるものが存在しているのは転生してから知った。
けれど、ロボロがオークションで売られていた子供だった?
「俺は5年前、12歳の時にクライン家に買われたんや。実の兄さんとはそれよりも前、10歳の時に兄さんが買われてしまってから会ってないんや。」
『そんな、ことが……』
言葉はそれ以上出てこなかった。
「……なんて、暗い話してもうたな!すまんなぁ。」
『い、いえ……』
「やから、俺本当はロボロやないねん。これは親以外に言ってないんやけど。」
ロボロは笑って続けた。
「
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り〜。 - 気が付いたら一気読みしてました!更新頑張ってください!! (3月14日 9時) (レス) id: de8cd53295 (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわ - フクスちゃんかわいい…!大好きです!更新頑張ってください! (2022年10月23日 7時) (レス) @page22 id: 1e2af6a07a (このIDを非表示/違反報告)
たぴくん - 初コメ失礼します!好きです。使い魔可愛いです!一気読みしちゃいました。更新頑張ってください! (2022年9月7日 18時) (レス) @page22 id: f184817549 (このIDを非表示/違反報告)
ネコの大罪@転生2度目(プロフ) - ルレスさん» ルレス様ありがとうございます! (2022年8月11日 9時) (レス) id: 3ee4689f87 (このIDを非表示/違反報告)
ルレス - 初コメ失礼致します。ストーリー性とても好きです!悪役令嬢もの大好きなのでこの作品を見れて嬉しいです!これからも更新等頑張って下さい!! (2022年8月11日 3時) (レス) id: 31e5292d2b (このIDを非表示/違反報告)
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