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彼が考えてくれたデートプランは至って普通だった。まずは表参道の有名ブランドショップに入って、洋服やアクセサリーを物色。
どの商品も気軽に買えるような金額ではなかったのに、「ジウンに似合うから」と言ってシルバーリングをプレゼントしてくれた。その日、チアキくんも同じようなリングを身に着けていて、なんとなくテンションが上がったのを覚えてる。だって憧れの人とお揃いアクセサリーなんて嬉しいに決まってるじゃん。
数時間一緒に買い物をして気づいたことがあった。どうやらチアキくんは物欲があまりないらしく、俺が行きたいショップに付き合ってくれただけで、特に何も買っていなかった。
やっぱりプライベートでも常に落ち着いていると思ったぐらいだ。
歩き疲れた頃には夕方になっていて、連れてこられた先は麻布にある高級焼肉屋だという場所。芸能人御用達らしくプライベート個室もある店だった。
「好きなものを好きなだけ頼んでいいから」
と言われて、メニュー表を開いてみてびっくり。俺が普段食べる物の金額よりも桁が一桁、下手したら二桁違うようなものばかりだったから。
「何なら端から端まで頼んじゃおっか?」なんて悪戯っぽく笑いながら、帽子とマスクなどの重装備を剥ぎ取ったチアキくんは水を一口飲んだ。
初めて一緒に食べた食事がこんな高価なものだなんて・・・。彼からすれば大した金額じゃないんだろうけど。
「知ってるかもしれないけど、本来の俺はカムバック期間中で大忙しだったんだよね」
チアキくんが所属するグループがカムバックしていて、チアキくんはその期間中の活動すべて不参加になったというニュースは韓国内で大きく取り上げられていた。日本にいた自分でさえも知っているんだから世界中が知っていると思う。この件に関して、めちゃくちゃ気になってはいたけれども触れて良いのかダメなのか一切分からなかった。
「俺と一緒にいてちゃんと楽しいですか?」
流石モデルや俳優として活動してるだけある。チアキくんは一切疲労感を表に出さなかった。
「どういう意味?」
「まだ本調子じゃないんですよね?無理してないかなって」
俺って何か変なことを言ってしまってる?何だかチアキくんの反応が思っていた反応と違った。
不安になりつつあった俺に反して、チアキくんは俺をまっすぐ見つめて、くすっと笑って見せた。
「もしかして俺のこと心配してくれてる?」
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hjr.(プロフ) - 藤さん» 藤様。初めまして、ヒジリです。有難いお言葉を頂き光栄です。まずは更新停滞させないよう頑張ります。笑 ありがとうございます:)♥ (5月23日 7時) (レス) id: 340019a8ab (このIDを非表示/違反報告)
藤(プロフ) - はじめまして、いつも更新を楽しみにしています!以前から別作品をずっと読んでいるのですがまさかhir.様のボイプラ作品が読める日が来るとは思いませんでした🥲!これからの更新楽しみにしています💕 (5月22日 23時) (レス) id: 239e12852c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:hjr. | 作成日時:2023年5月17日 22時