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待ち合わせ場所に指定されたのは新大久保駅の真ん前だった。
グローバルに活動するアーティストとあろう人が、こんなに大勢の人が行き交う場所を選ぶとは思いもしなかった。しかもこの新大久保に訪れる人は韓国を拠点に活動する彼を知らないわけがないだろう。
彼には毎度驚かされてる気がした。
前日の夜は考え込みすぎたせいで眠れなくて、身体は完全に寝不足だった。
そのせいなのか、早め早めの行動をしたら30分以上早く着いてしまった。
いくら何でも早過ぎたと後悔していた時、サングラスに深めの帽子を被った細身ファッションの人物が改札口から颯爽と現れた。多分あの人がチアキさんなんだろうな、と分かってしまうほど彼の纏っているオーラは異様だった。
ここまで存在を隠し切れないものなのか？って思いながら、手を振ってみるとすぐに気づいてくれた。初めて会った時もそうだったけど、素のままでもオシャレな人だと思った。本当にこんな人の隣を歩けるなんて夢のまた夢みたいな話だ。
「おはよ、キング君」
サングラスをずらして見せてくれた真ん丸の茶色の瞳。チアキさんで間違いなかった。
軽く挨拶を交わした後、グッと凄い力で腕を掴まれたと思いきや、腕を引かれるまま改札へ移動。どうやら電車移動らしい。階段を上ってホームへ出ると、平日だったからか人はそれほどいなくて、比較的に落ち着いていた。
「あのっ、チアキさん……」
「俺のことは呼び捨てで良いよ」
「えっ？そんなことできませんよ！」
「俺が呼び捨てして欲しいってお願いしても？」
「じゃあ、チアキくん…」
「ふっ、君ってほんと可愛いね、ジウンくん」
不意に呼ばれた本名。知っていてくれたのが嬉しくて、にやけそうになったのを必死に堪えた。
名前呼びもズルいし、そのはにかんだ笑顔もズルいと思った。
「俺の名前知っててくれたんですね」
「ペンなら普通、推しメンの本名ぐらい調べるよね？」
「…またまたそう言って…」
ほんと恥ずかしげもなく平然とした顔で言ってくれるよなぁ。
無意識のうちに口角が上がりまくってたから、これ以上にマスクをしていて良かったと思う日は無かった。
「ねぇ、ジウンって呼んじゃダメ？」
もう何だって良いから好きにしてくれ！
いちいちキラースマイルを撒き散らされて俺の身がもちそうになかった。慣れれば耐久性が身につくんだろうか。
「お好きなようにどうぞ」
「わかった。じゃあ行こっか、ジウン」
→
23.05.24
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hjr.(プロフ) - 藤さん» 藤様。初めまして、ヒジリです。有難いお言葉を頂き光栄です。まずは更新停滞させないよう頑張ります。笑 ありがとうございます:)♥ (5月23日 7時) (
レス) id: 340019a8ab (このIDを非表示/違反報告)
藤(プロフ) - はじめまして、いつも更新を楽しみにしています！以前から別作品をずっと読んでいるのですがまさかhir.様のボイプラ作品が読める日が来るとは思いませんでした🥲！これからの更新楽しみにしています💕 (5月22日 23時) (レス) id: 239e12852c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：hjr. | 作成日時：2023年5月17日 22時
