追 憶。【不死川実弥】

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「 ……は？ 彼氏…だと？ 」


『 うん 』





ある日の夜、Aから電話がかかってきた.
液晶に浮かぶ名前を見れば、自然と心が踊っていた.





だが、話の内容は、
彼氏が出来たという報告だった.





落胆するよりは、
ああ、やっぱりか.

そう思っていた.





「 …どこのどいつだ 」

『 えっと…………、さね…不死川くん 』










不死川の名を聞いた時、腑に落ちていた.





「 …そうか 」










わかりきっていた.
大学で不死川とAが再会した時から.





それでも、俺は我儘だった.
行って欲しくなくて、傍に置こうとしていた.





「 …良かったな. おめでとう 」


『 …ッ、ありがとう 』





電話越しの声は嬉しそうだった.
その声にきりりと胸が痛むのは＿＿.










『 ……ねぇ、義勇 一つだけ、聞いてもいい？ 』

「 なんだ？ 」

『 おかしなこと聞くけど……、義勇って前世の記憶……あったりする 』










A、

お前は、思い出したのか＿＿.





「 …前世の記憶？」

『 あっ、ごめん. やっぱり、何でもない！ 』





どう足掻こうが、
これは無理な話だったな.










記憶がないフリをするのも、

Aのため

不死川のためだ.






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現世 コソコソ噂話*





義勇にも、実は前世の記憶があった.



最初は曖昧でハッキリとはしていなかったが、前世関わった人に出会うことで、その人との関わりは鮮明に思い出すらしい.


Aと出会った時は正直戸惑ったらしいよ.

でも、一緒に居るうちにAに惹かれ好きになっていたんだって .
だから、敢えて、記憶のないフリをして、Aの隣に居たとか＿＿＿＿.





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