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ソファに並んで腰を下ろす.

出してくれたココアをちまちまと飲みながら実弥くんを伺う.





「 ……話、のことなんだがァ 」

『 …う、うん! 』










「 …唐突に聞くが、前世の記憶って信じるかァ? 」





前世の記憶?
予想だにしていなかった言葉に、戸惑う.





「 俺には前世の記憶があんだ. 大正時代の頃の記憶だ. 」


『 た、大正!? 』





大正時代なんてもう100年以上も前のことだ.
高校生の頃、歴史で勉強したあの大正時代…?





「 …あぁ 」





そして、実弥くんが語ったのは

鬼という存在.

鬼狩りである鬼殺隊という組織のこと.





前世では、実弥くんは、
その鬼殺隊という組織にいたらしい.





実弥くんだけじゃない、


義勇やカナエ、錆兎、宇髄くん、玄弥くんもその組織の一員だったという.





私も、その鬼殺隊の中の、隠という役職だったらしい.










色々な情報が行き交い、頭の中は大渋滞.










情景に浮かんだ、
学ランのような服と、腰に下げた刀.


じゃあアレは、鬼殺隊の服ってこと?





「 いっぺんに話して悪りぃ… 」


『 う、ううん 』





じゃあ、どうして…











義勇たちのことは何一つ浮かばないのに、

どうして、実弥くんが浮かぶの?










「 A 」





そっと、
実弥くんの手が頬に添えられる.





「 俺は、Aに記憶がなくても構わねェ.
またこうやって、巡り会えたんだァ.

恋仲でも夫婦でもねぇが、また会えたことが嬉しいんだァ 」










柔らかな笑みを向けたと共に、

ぶわっと風が吹き抜けた.










____ 私ね、何度生まれ変わっても実弥くんに巡り会うと思うんだよね.










『 ……私…ッ 』





最後の情景に、



頭痛ではなく、





涙が伝った.





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設定タグ:鬼滅の刃 , 不死川実弥   
作品ジャンル:アニメ
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みお(プロフ) - めちゃくちゃ感動しました…。この作品に出会えて良かったです!! (2022年4月10日 14時) (レス) @page41 id: 98c132f21e (このIDを非表示/違反報告)
つめきわに - とても感動するお話でした。シリーズの初めから一気に読んだのですが、止まれませんでした!不死川さんがもっと好きになりました〜 (2021年1月25日 21時) (レス) id: 425fb41c74 (このIDを非表示/違反報告)
Yasuko Yaotani(プロフ) - めちゃくちゃ泣きました!凄く幸せな気持ちになりました。次回作もたのしみにしてます☆ (2020年12月25日 21時) (レス) id: 2ca8d75cad (このIDを非表示/違反報告)
さとみ(プロフ) - シリーズ一気読みしてしまいました!今更ですがこの作品に出会えて幸せです!他の作品も読ませていただきます! (2020年11月9日 11時) (レス) id: 4be6ea8e94 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 最高でした!連載お疲れ様です!素晴らしい作品に出会えて幸せです!次回作も心から楽しみにしています! (2020年6月30日 18時) (レス) id: 81d60ec5d0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まっちゃろん | 作成日時:2020年4月7日 0時

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