追 憶。【不死川実弥】

.30 ページ30

.










花火大会の１週間前となった.





待ち合わせの場所と時間を決めた.
すんなりと決め事は終わり、駄弁っている＿＿.










『 そういえば、何だか少し大きくなった？ 』


「 あん時はまだ子猫だったからなァ 」





１ヶ月程前に見た時よりも、少しだけ大きくなったしらたま.
実弥くんから時折写真が送られてくるけれど、気づかなかったな.





動物の成長は早いなぁ…、

私の膝の上で丸くなったしらたまを撫でる.
ふわふわした毛並みが可愛さを引き立てている.





ゴロゴロと喉を鳴らし、ニャーと鳴いた.
手のひらにすりすりと頭を動かしている.



エメラルドグリーンの綺麗な目がじっと私を見た.










＿＿＿＿ この子いつから飼ってるの？



＿＿＿＿ 住みついてるだけだ. 別に飼っちゃいねぇよ.










ふと、
脳裏を過ぎる会話.


ズキリと頭が痛む.








どうして、また＿＿＿＿.










会話と同時に過ぎる、情景.

私の膝の上には、しらたまと瓜二つの白猫.
そして、学ランのような服を着た実弥くん…、










「 A！ 」


『 …！さ、実弥くん？ 』



「 大丈夫かァ？ 具合悪いかァ？ 」


『 だ、大丈夫！ ちょっと、ぼーっとしちゃった… 』








時折過ぎる、アレは一体なんなんだろう＿＿＿＿.





.

.31→←.29

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す