我が親愛なる大罪人へpart3【七つの大罪】

113 関係と変化 ページ45

「でも、それと今回のこととどう繋がんだ？」

団長の問いに
ドレファスはそのままの体勢で答えた。

「聖戦を実行するためだ」


「…聖戦？」

「ブリタニアに伝わる古い詩の中にある言葉よ」

続けてマーリンが言う。

「それが近く起こるであろうと
国王陛下が予言された」

…それは初耳だわ。

「…だが陛下は剣を置けと命じられた。
私はこの聖戦を期に
10年前の事件に終止符を打つつもりだった。
〈七つの大罪〉を
聖戦の敵として葬り去る事で、
事件の真相を知る者はいなくなる。

しかし、
ヘンドリクセンは違った」


…違った、か。
そうだろうな。

牢の中で会った男を思い浮かべ、
苦々しく唇の端を曲げる。


「10年前の一件を境に
ヘンドリクセンは変わった。

よもや
魔神復活を企むまで乱心していようとは
私も知らなかった…！」

ドレファスはそこで言葉を切った。

「…なぜ、こうなったのか。

私はただ、
息子に誇れる父でありたかっただけなのに…」

その彼に、
エリザベスは口を開いた。

「グリアモールは生きています。
ベロニカ姉様のなきがらを守るように、
今も、きっと…」




ドレファスの目から零れた涙。



何を悔いたのか、

男の絶叫が響いた。

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