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086 恋心と幸せ ページ14

「な…んで、ここに…」

ゴチャゴチャした頭の中で
それだけ問う。

「勝手に置いていくなんて酷いじゃない」

怒ったように言う彼女は
ふと目を伏せた。

「…ずっと、考えてた。
私にとって、いい事はなんだろうって」

顔を上げず、ポツリと呟くA。

「確かに、
家族といるのは当たり前だし、
戦いで傷つく事もない。
──それは、本当に幸せな日々」

少し間を置いて、
「でもね、」と彼女は続けた。

「こんな悲しい気持ちになるのなら、
幸せなんて要らない。

私にとって、
メリオダスはいて当たり前で
いなきゃいけない存在なの」

そう言って顔を上げるA。


「そんな大切な人が
目の前から急にいなくなるって、
何よりも不幸な事だから…」



…そんな事は、
俺が誰よりも知っていたはずなのに。

その涙の向こうに、
幸せなんてありえないと
気付いていたんだから…。



「A、これから先、
もっと辛い目に遭うかもしれない。
…お前の事も守れないかもしれない。

けど、それでい………………………………!!?」

急に視界が暗くなる。

そして、同時に感じる温もりと鼓動。

「愚問。
私は守られるほど弱くないよ。
それに、覚悟ならとっくにできてる」

「……そ、か……………」

今更のように再び酔いが回ってきて、
呆気なく意識する手放す。








「好きならちゃんと側にいてやれよ、
メリオダス」

遠くで、呆れたように言う
リズの声した気がした。

(…リズ…。
お前は、俺のこの気持ちを、
許してくれるのか………?)

「当たり前だろ」

かつての想い人がそう言って笑う。


その姿は、

夢なのか、

あるいは

現実なのか─────────。

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キャット・ガンマン - リオさん» どういたしまして!メリオダスは気になるんでしょうね、夢主の想い人。確信はまだしません、…というかできないですね、遠回りしてるから(笑) (2015年12月10日 8時) (レス) id: c7a626d2de (このIDを非表示/違反報告)
リオ(プロフ) - ありがとうございます!!いいですね〜。メリオダス気づけやぁ!!!とも思いましたw (2015年12月9日 21時) (レス) id: 9dca1ab2b7 (このIDを非表示/違反報告)
キャット・ガンマン - *Sumomo*さん» よかったです、安心しました(笑)本編の方も頑張ります! (2015年12月5日 21時) (レス) id: c7a626d2de (このIDを非表示/違反報告)
*Sumomo*(プロフ) - あわわ!!!ありがとうございます!!!想像通りでした!!!嬉しいです!!これからも更新頑張ってください!!応援しています!!! (2015年12月5日 20時) (レス) id: d097e2668d (このIDを非表示/違反報告)
リオ(プロフ) - こんには!リクっす!夢主がエリザベスちゃんに嫉妬してうんぬん……お願いします!! (2015年12月5日 7時) (レス) id: 9dca1ab2b7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:キャット・ガンマン | 作成日時:2015年10月7日 21時

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