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とは、いっても。
これといった外傷はなく打撲と先日の鬱血には冷やすくらいしかできないわけで。
艶本先生に冷えるシートと氷嚢を二つづつもらって保健室をあとにした。

あの雰囲気の教室に戻る気にはなれなくて校舎を徘徊しようとしたが、この学校のジャージたちに絡まれるのも嫌だったし、負傷中でチャンスとばかりに喧嘩をふっかけられるのも色々と嫌だったのでなるべく人の少なさそうなところを求めて屋上にたどり着いた。

屋上には日陰に腰を下ろした信玄くんがいた。
「笑いに来たか」
『…笑う?』
「これを笑わずして何を笑うんだ。
……俺はもう、日陰の道を歩くしかねえんだ」
『それは、ちが…』
その時、風林火山の白い旗を持った信長くんが来た。
「一度の敗北が、全ての敗北か?」
その言葉に信玄くんは信長くんを見上げた。
信長くんは旗を広げると…「ここに日陰の文字は無いはずだ」とだけ言って、旗を預けて行ってしまった。
渡された旗を、再び一度広げる。
風林火山の4文字は、信玄公が自らの戦旗に掲げ信念としたもの。
『信長くんの言ったとおり。この旗は、貴方の在り方そのもの、なのでしょう。
私には、この旗に日陰の二文字を見つけることはできません。』
「A、俺は…」
『一度の敗北なんのその!徳川家康は銀杏高校で誰もが知る強者でしょう。負けたところで貴方になんの不利がありましょうや。
というか、挑んでないなら負けてすらいないのですよ?』
「ッ、俺は…!
悪い、A………一人に、してくれ…」
『…わかりました。どうか、ご自愛なさってください。
貴方のこの先の道が光満ちるものでありますよう』
私には、それを祈ることしかできませんから。

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オタくん(プロフ) - 凄くおもろいです!更新楽しみにしてます! (8月7日 20時) (レス) @page49 id: 487a14ebf8 (このIDを非表示/違反報告)
みずのえ(プロフ) - ありがとうございます〜頑張りますね、! (2022年10月27日 23時) (レス) id: 07361828e7 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - すごく面白いです!更新楽しみにしています!! (2022年10月26日 0時) (レス) @page29 id: 06fabb07b9 (このIDを非表示/違反報告)
みずのえ(プロフ) - …かもです…本編の性格と大幅に変えてしまっているかもで本当に申し訳ないです… (2022年10月24日 7時) (レス) id: 07361828e7 (このIDを非表示/違反報告)
クロノト(プロフ) - ヤンデレ来たかこれ? (2022年10月20日 19時) (レス) id: 3be08e9739 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みずのえ | 作成日時:2022年10月13日 22時

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