ただ、未来を 2

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「鳴け！」
『！は…は！鳴かせていただきます、殿！
…あ、れ？』
遠くから聞こえた声にを頼りに進むとニワトリの前で鳴け！と言ってる信長くんを見つけた。えぇ………
…何を、してるんでしょう…

「Aちゃん」
『みやびちゃん！』
「どうして、ここに…？」
『…なんか、来ないと殺される気がして…ていうのは冗談で、信長くんの声が聞こえてきたから、気になってしまって…』

織「……なぜ鳴かぬ？」

み「これは…鳴かぬなら、殺してしまえホトトギス！」
『鳴くまで待とうが徳川家康、鳴かせてみせようが豊臣秀吉…天下餅をついた三英傑の性格をよく表した句ですねぇ…』
み「ええ、そうですね」
まぁ、実際は3人とも殺しちゃいそうだけど…

織「鳴かぬなら…」
「『鳴かぬなら…！』」
織「コケコッコー！俺が鳴く！」
『！
ふふ、ふはっ、ｯあっははははっ…！』
み「俺が鳴く、とな！？」
『なんと…それは予想外！さすが殿…！
…はは、俺が鳴く、かぁ！』
本当に、同じ名を冠するだけとはいえ人に測れぬお方だ。

そんな珍回答をした信長くんがどうするのか見たくてしばらく観察していたら、徳川くんが来た。
「ゴミが何をしている？」
「見て分からんかうつけ。鳴くのを待ってる」
「鳴くのを待つ、か…俺ならこうする。
ニワトリよ、この家康のために…鳴け」

…次の瞬間、ニワトリが鳴いた。
うわぁ…まじかぁ…そういう…
鳴くのを待つのが信長くん、鳴かせるのが徳川くん…
あの頃とは真逆だなぁ…殿はまぁ気分次第だろうけど、竹千代はどうにか工夫して、その時鳴かなくても鳴いたときに「ほら、やはり」っていうタイプだた思ってたんだけど…まぁ、それでも泣かなかったら普通に殺すんだろうけれど。
まぁ、同じ名前でもやっぱり別人なら違う、か…
他のクラスメイトたちがあまりにもそのまま過ぎてバグってたけれど、やっぱりただの同姓同名の別人…

「恐怖を植え付け、支配すればよい」
じっと見つめられてる気がするし、今回は見逃してやる、ふうな雰囲気でにやってしてるけど、し〜ら〜な〜い〜☆
…圧が、強い…

私の知るあの頃の竹千代と銀杏高校一年の徳川家康。
性格が違いすぎる…怖い…
考えても仕方ないとはいえ、あまりの相違に脳が拒否反応を起こし始めた。よし、思考を停止しよう。し〜ら〜な〜い☆

帰り道…いつものようにみやびちゃんと2人で帰っていると、怪しい男に道を塞がれてしまった。
「あの…日下部みやびさんと立花Aさんですよね？」

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