天文十八年 ページ35
それから、二年後。
安城合戦で今川家との対立は深まり信長の庶兄である信広は生け捕りにされ、竹千代との人質交換という形で織田家へ送還されることとなった。
この混乱の中、父である松平広忠の死に、竹千代は立ち会うことができなかった。
『本当に、今川さんとこに行くの？』
徳「…それは、千代に決められることではありませぬ」
『むぅ…
殿ーなんかないんですかー？』
織「わがままを言うな。
父の決定だ、儂にできることなどない」
『…酷い目にあったら、すぐに文をよこすんだよ？
大変なこと、辛いこと、楽しいことや面白かったことでもいいから…、…ぐす…うぅ…』
徳「Aは、存外泣き虫です」
織「全くだ。貴様は大袈裟にすぎる。」
『むー…もう二度とあえなくなるかもしれないのに、殿も竹千代も軽すぎるんです！』
徳「駿河も三河も、会えぬ距離ではありませぬ」『…犬千代、お前は悲しいよね、？』
前「いや、べつに……」
別れを悲しむのは自分ひとりで、ほかはみんな普段通りだった。それが不服でまだ幼い犬千代にどうかと尋ねるが、やはり反応は薄かった。
織「幼い犬千代のほうが貴様よりよほど大人のようではないか」
『い、いいんですよぉ！
…むこうに行ったら、気軽には会えませんし…
…今川さんとこには龍王丸…氏真くん？っていう殿と同じ年頃の子がいるから、良くしてもらうんだよ？…趣味は合わないと思うけど…君は、頭もいいし、武術もできるし…きっといい君主になる。むこうでだって、上手くやれるさ』
徳「…千代は、立派な大名になります。
殿を支えられるくらい、立派に。
今はまだ領地を奪われて、ただの人質の身ですが…いつか岡崎に戻り三河を取り戻す…そうしたら、きっと………」
織「…是非に、及ばず。
貴様は貴様の道を行け。儂も自らの道を進む。
さすれば…いつか、我らの道は交わるだろう。」
前「…俺も、いつか殿をお側でお守りできるくらい強くなる」
『なっ、それなら私も！私も殿をお守りできるように、城を持って所領を得ます！』
織「…貴様のそれは自分の願望だろうに」
『ち、ちがいますよぉ！』
徳「ふ、はは！
…ありがとうございます。…頑張ります」
そう言って、竹千代は今川家に行ってしまった。
彼らが再び出会うのは、ここから約20年後…信長が桶狭間で今川義元を破ってからになった。
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オタくん(プロフ) - 凄くおもろいです！更新楽しみにしてます！ (8月7日 20時) (
レス) @page49 id: 487a14ebf8 (このIDを非表示/違反報告)
みずのえ(プロフ) - ありがとうございます〜頑張りますね、！ (2022年10月27日 23時) (レス) id: 07361828e7 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - すごく面白いです！更新楽しみにしています！！ (2022年10月26日 0時) (レス) @page29 id: 06fabb07b9 (このIDを非表示/違反報告)
みずのえ(プロフ) - …かもです…本編の性格と大幅に変えてしまっているかもで本当に申し訳ないです… (2022年10月24日 7時) (レス) id: 07361828e7 (このIDを非表示/違反報告)
クロノト(プロフ) - ヤンデレ来たかこれ？ (2022年10月20日 19時) (レス) id: 3be08e9739 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みずのえ | 作成日時：2022年10月13日 22時
