ただ、未来を

・ ページ9

「お前らさっさと帰れボケカス！！」
伊「…危ないよ？」

み「あれは独眼竜、伊達政宗！」
『な、梵天丸！？まさか、あの子までここにいるとは！」
み「Aちゃん、武将の名前を幼名で覚えるタイプなのですか…？珍しいのですね。
…ですが、織田信長のことは吉法師ではなく殿、と…」
アッ、いや、それは、その…ええっと…
み「ハッ、わかりました！もしやAちゃんも、織田信長のファン、なのでございますね！？」
『…まぁ、そう、ですね？』
み「なんと！明治以前の歴史について語り合える友人を得るだけでなく、まさか好きな武将まで同じ、とは………
嬉しいです、Aちゃん！これから、たくさんお話し致しましょう！」
『そうですね。では、またいずれ誘ってください。』
と私達が約束を交わしている間に、集まってしまった特進クラスの不良たちは割とバチバチしてしまっていました。

武「てめぇも銀杏高校とはな、上杉」
上「僕は嬉しいよ。武田」

伊「これはこれは田舎者の皆さん」
「「黙れ！」」



み「ライバルだったお二人が…そしてすごいスリーショット！」
『川中島か…そうですね。あの三人が集うだなんて、まるで夢でも見ているようです。』
み「えぇ、えぇ！！はっ、あれは、きっと明智光秀…！」

明「怖いです……」

『ミッチー！？？禿げてない、胃を痛めてない、裏切りそうな笑顔をしてないあの陰キャっぽい子が！？？？？』
み「Aちゃん！流石に失礼です！それは！」
…正論でしかないですね…誠に申し訳ない。
ですが！これは今世紀最大の驚きと言っても過言ではないのでは？、

黒「入学式も終えずに戦とは実に早計」

「はっ、あれは天才軍師と呼ばれた黒田官兵衛！」
『黒田如水…義の武将、忠の武将、知の武将…軍師としても君主によく仕えそれを体現したのは彼くらいでしょう』
なにせ、忠義のために十月を耐え、足を壊してなお忠を尽くし作を尽くした男なのですから。

黒「楽しみは後に取っておくほど、旨味が増す」

「ふっ、面白れぇじゃねぇか」

「誰だ」

「武田」
「黒田」
「伊達だ」
「…上杉です。さぁ行きましょう」

自己紹介…素直……
絶対に【かわいい】が似合わない種類の人たちだろうに、どうしてこんなにもかわいいのか…
一連の流れを見てあわあわとしていたみやびちゃんだったが、ようやく冷静になったらしく
「これは一体どういうこととな…？」
と言って首をひねった。

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す