ただ、未来を

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秘「旗印戦、早指し将棋、開始」
…またしてもサルの得意分野…将棋の王将は玉を疎んで変えさせたという逸話さえありますからね…
…彼らと同じ名を持っているわけだし、軍略とかなんないいかんじにできそうなものですが…2人とも豊臣くんに王手を取られてしまいました。
「…参りました」

秘「秀吉くんの、勝利」
魔村さんの宣言を受けて、「搭載されているスペックがちゃうねん〜」
と二人を全力で煽っていた。

「も〜っと頭下げんかい。地べたにキスするように！」
「ひーでーよーしーっ…！！」

悔しがる彼らに向けてチュッと投げキッスをする豊臣くん。
まあ、なんというか…豊臣くんは相変わらず、ということでしょうか…人を煽り、自分を強く見せることについては天下一品、けれど…
…これは流石に、やりすぎましたね…
あまりにも【ケンカ以外】での勝負に拘りすぎ、尚且つ【自分の土俵】での勝負をしすぎてしまった…
この学校の生徒の多くはこれを見てヘイトが溜まっているはず。

…明日から、波乱だろうなぁ…



旗印戦が終わり、戻ってきた豊臣くんに声をかけた。
『お疲れ様です、豊臣くん』
豊「Aちゃん！！見てた？俺の………王手♡」
そう言って豊臣くんは先程の完璧だった王手を再現した。
『…素晴らしい勝利でした。私は将棋への素養は深くありませんが、それでも…』
豊「ほんまに〜？Aちゃんもみやびちゃんも、、おつむもええから強そうやわ〜！
今度俺と将棋、ささへん？旗印戦じゃなくて！」
『うーん、完膚なきまでに叩き潰される未来しか浮かばないかなぁ、…』
み「そうですね…」
豊「そんなことないって〜
俺が、やさ〜しく教えたるわ！」
そう言って、3人で笑いあった。

井「おい、サル」

サル…まぁ、………今は猿顔ではないからただの悪口では？
この旗印戦に不満そうな井伊くんがこちらへ歩いてきた。

「お前みたいな卑怯なヤツ、初めて見たよ」
豊「…戦はな、腕力だけとちゃう。ここ、ここ」
そう言ってこめかみを指で叩く豊臣くん。…こんな時も煽りを忘れないとは…やっぱこのクラスに向いてるよ…
その言い分に言い返すことができず、井伊くんは舌打ちをして何処かへ行ってしまった。

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