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南雲…アイツは、相変わらず気に入らない人物には暴言を吐きまくって、心を壊そうとしているけど……
前も感じたけど、何だか必死というか…とにかく壊してやりたい壊したい…っていうカタストロフィーな部分が強いな…
その反面、乃川さんに対する表情は愛おしそうというか…乃川さんをとにかく独占したいのは良く伝わった。
…まぁ、独占したい人間の気持ちが分からない訳でもない。
あんまりにも美し過ぎるのだ。
乃川雪希という子が。
何というか、人間離れした美貌…とでも言うべきか。
秋一兄さんとAちゃんも人間離れした美しい部類だけど…
種族が違う美しさ、というべきか。同じ人間なんだけどなんか違うというか…
あやかしで言ったら雪女みたいな…兎みたいな…白狐みたいな…
本当、私の周り顔面偏差値バグッてんな…
…とは言えど、だからと言ってこれ以上関わっても仕方ない。
とりあえず私は私で自分の事に集中するとしますか…
…にしても、私が披露するモノマネ曲…何でYOASOBIさんの「アイドル」まで追加されたのだろうか。
私Adoさんメインだったのに…完全によよよちゃんと対抗させる気丸見えだ。
「とりあえず、帰宅したら荷物の準備の続きでもしようかな…」
と、思いつつやっぱり暇だったので、その辺の街や店内をウロついたりしていた訳だが…
「む…」
スタバでも寄ろうかとして…入口付近で何やら揉めてる男女。
「あれは…乃川さん？」
という事は男は南雲…かと思ったけど違った。
どうしたんだろう、ナンパか？と思って近付くと…
「―――お前のせいで、どれだけ天野さんが傷付いたと思ってるんだよ。あんな屑とコンビ組んで良い気になって…天野さんを捨ててアレと組むとか頭イカれてんだろ。お前なんか芸人辞めちまえば良いんだ。1人で大勢の男共に囲まれて守ってもらって、馬鹿じゃねぇの!?」
コレは…余りにも暴言の度を超えている。
見た目はワンコの様な好青年なのに、なんて品のない言葉を。
それも乃川さん…女性に向かって。
言葉の内容的に天野さん…つまりAちゃんの味方なのは分かるけど。
「ちょっと、アンタ何してんの」
「あ？誰すかアンタ」
「そこの…乃川雪希と縁がある者です」
「意味分かんないし。話に割ってくんな―――」
ぐいっ、と私はその男の胸倉を掴み…耳元で囁く。
「―――初めまして、Aちゃんの同居人の1人、野宮満優です」
「あ…え？」
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作者名：氷柱 | 作成日時：2023年11月4日 2時
