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盲目的
偏狭
心酔
…僕を慕うのは一方的に構わないけど、そんな下心を抱かれても困るだけだし、それで更に僕にとっても…何なら天野家にとっても「不利益」を生むだけなら意味ないし、むしろ害だ。
しかも、コイツは本末転倒を体現した様な奴だ。
正直、どうでも良い事ばかりやって僕のご機嫌取りをしてるけど、僕にとっては煩わしい意外なんでもない。あの道具を捕えて僕に差し出すのが目的なのに、コイツはほんのちょっとでも道具……僕の実妹を害しただけで大喜びして、僕にわざわざ報告する。
学生時代はそれで良かったさ。
まだ大人達の監視下で、しかも学校と言う閉鎖空間なら限られた事しか出来ないし。
その限られた事を盛大にやってくれたからまだ良しとした。
しかし、所詮は井の中の蛙大海を知らず。
そこから何も成長していないし、何も得ていないし、何の得も与えていない。
あぁ……
「―――つまんねぇなぁ」
僕がそう言うと、目の前の駒はビクッと体を大きく震わせる。
そんな全身で恐怖を表現させても、僕は何も感じない。
「も、も、申し訳ございませんっ！次は、次こそは絶対にあの女を！」
「もう良いよ。お前みたいな無能に、アイツをどう捕えれば良いのか考えられるお頭なんかある訳ないし」
「それは…」
「お前がやり過ぎたせいで、アイツの周辺の警備体制が強化されたんだよね」
「でも……」
「第一、僕は確かにお前に「妹を弱らせて捕らえろ」と命令はしたさ。でも「社会人としての業務をサボれ」とは言ってないし、そもそも入社の際に「優先順位を考えろ」と教えたよね？その時点でまず天野家の会社にとってはお荷物というか、癌にしかならない」
癌、と言うと
駒は何を思ったのか絶望的な表情になる。
「それに…俺は「妹に大怪我を負わせろ」「妹を死ぬ寸前まで追い詰めろ」とは命令していない。当たり前だよね？僕の道具を壊すなんて……側近のお前がそんな愚行を犯すなんて、あってはならないだろ？」
「あ、あ…」
「僕の所有物を壊すお前なんか―――いらねぇんだよ」
コイツは最初ら辺は役に立ってくれたけど、もういらない。
まぁ、まだ若いから動ける様だし……暫くの期間は…遠くに飛ばして本日分の業務を怠った損害費用を倍で支払ってもらおう。
泣き叫ぶ駒を尻目に、僕が今考えるべきは……
「―――どこへ逃げたって無駄だからな、A。お前は…僕の
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作者名：氷柱 | 作成日時：2023年11月4日 2時
