満月美女は語る ページ38
〈side 古城楓〉
今日だけでどんだけ騒動起きんねん。
ほいで先に攻撃仕掛けた奴が自爆するとかアホちゃうか。
どんだけ愚かモンや。
あんなんが俺らオレンジ日和やエルフと同期とかホンマに有り得へん。
ま、女子の反撃にビビッて盛大に……これ以上は思い出したないから言わんけど、情けない最後やったな。
それより…
まさか櫛野、天野さんにもう1度告白するとはな。
で、結局フラれたんか…ま、そうやろな。
天野さん自身が恋愛に関して今は考えられんし、色々片付けたい問題が山積み…
天野さんを支えたり色んな面で補う…それは櫛野に限らず、俺や皆が彼女の為にしてあげたいと思う役割や。
…他人の為にここまでしてあげたい、そう思わせる程天野さんは善良な子や思う。
ただ、最近思うんは…
―――そんな、私恋愛経験1度たりともないし、その兆候すら感じたことないのに、いやいや、ないですよ！
天野さんの退院日
俺が彼女を新しい住処へ送り届けたあの日
令和ロマンと、天野さん…そして彼女のマネージャーは暫く俺の存在に気付かんかったけど、実は結構長い間俺は彼らの騒がしい談笑を聞いとった。
そん時の天野さんのあの発言。
悪いけど、俺は一瞬だけ彼女の表情が強張った様に見えた。
俺はこん時「天野さん、今ちょっと嘘吐いたよな」と感じてもうた。
もし嘘吐いたとして、逆に嘘吐く必要性がどこにあるんや？と思った。
昔話なら笑い話に出来るんに、そうやないという事は……本人の中でなかった事にしたい程辛い思い出か、それとも今叶わない相手に強い恋愛感情を抱いているか…
とりあえず1つ分かるんは、今の天野さんは櫛野に限らず誰かに恋愛感情を抱く余裕はない、という訳や。
そうなると、�眸耄匹筏�極さん…少しご愁傷様やな。
「…古城さん、今僕の顔見て笑いました？」
「は？何で�眸耄匹隆蕕脳个錣淵▲�ンの」
「今、少し口元が…」
「気のせいや。それより…櫛野宥める方が大事や」
「…そうですね。まさかの櫛野が…Aちゃんに…個室予約取れましたし、色々と喋ってスッキリしましょう」
「…そやな」
天野さんの心を乱した櫛野を、京極さんと�眸耄匹�説教…なんて状況に陥らん様にフォローせんとな。
それには、松井と坂口の協力も必要やし。
ちなみにさっき療養中のなかむらに「櫛野、天野さんにフラれました」と送ったらただ一言「よろしく」て来たけど…櫛野を先輩として慰めろ、という意味か？
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作者名：氷柱 | 作成日時：2023年11月4日 2時
