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「お前…この子達に何の用や」
この中では一番先輩である京極さんが、その芸人と女子達の間に立つ。
当然、特に天野さんを守る様に。
「京極さん、それに皆さんも……ダメじゃないですか。仮にも療養中の女芸人を外に出しちゃ」
「何がアカンねん。Aは療養中やからこそ、こうして皆で楽しくご飯食べるんも大事なんや。俺らかて、Aと沢山オモロイ話したい思うてたし」
「だから、こんな構ってちゃんな仮病女なんか、部屋から出さない様に見張ってろって事ですよ」
「あ……？」
「元相方を虐める、先輩相手でもキツく物申す、少し可愛いだけで全部許されてると思っているお花畑な子と付き合っても、何の価値もないというのに」
ふふん、と鼻で笑い、天野さんに勝ち誇った笑みで見下ろすソイツ。
…まだ、そんなん言うてる奴がおるんか。
天野さんがどれだけ苦しい思いをしてるのか…どれだけ神保町のマンゲキに戻りたいか…そんな辛い気持ち、コイツには絶対に理解出来んやろな。
「―――悪いんですけど、アンタには用はないので早く帰ってくれません？正直こんな事で時間も精神も何もかも消費したくないんですよね」
くるま兄さんも加勢して、ソイツをどうにか追い払おうとする。
しかし…先輩芸人には何のダメージもないのか、余裕の表情だ。
あぁ、コイツには何を言ってもダメだ…そう判断したのか、少しでも先輩芸人から遠ざけようとする為に、くるまさんも天野さんの前に立ち……
「第一、精神年齢低いのが表情にいつも出てるって言ってるじゃん、なのに…何なの？その無駄にお洒落して大人っぽい恰好。
男ウケ狙ってるとしか思えないよ？しかもアンバランスで似合ってないし、ピアスもネックレスもダサいし、ただでさえ乃川さんを苦しめた悪女なのに、良くその格好で人前に出れたよね？」
「―――は？」
全員の堪忍袋の緒が切れそうになったが
それ以上に…要は、完全にブチ切れた人が1人現れた。
「もう1回言って下さい。今の言葉、聞き捨てならないのですが」
それは…まさかの天野さんやった。
「あ？もしかして、またいつもの生意気な反論？言い訳？みっともない姿を見せるなんて、本当に子供っぽいし成長してないし、何も変わってないね。幼稚園児の方が聞き分け良いんじゃない？」
「………ええ。どうやら私は思っていた以上に聞き分け悪い女です。貴方みたいな最低最悪の先輩の前だと、抑えられないみたいです」
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作者名：氷柱 | 作成日時：2023年11月4日 2時
