Arco Iris Ⅴ (ページ23)

今日:17 hit、昨日:28 hit、合計:14,471 hit

君への気持ちページ23

「で!?いつからちゃんと俺のあの時の告白が「告白」て理解出来たん!?」

「た、退院して…から」

「1週間程前!?」

「その、実は人生で告白された事なくて……ましてや、男の人…とかそういうの、全く意識した事なくて……」

顔がこれでもかと熱くなる。
私は一体何を言ってるのでしょう。

「私、櫛野君を男性として見た事なくて…あ、それは皆にも言えるけど……本当に失礼な話、異性とかそういうのは……」

「お、おおう…大丈夫、分かるから。天野さんのお家事情も少し知ってもうたから、マジで無縁やったんは何となく想像出来たし」

「…元が付くとは言えど、私の婚約者だった方が本当にお騒がせしました」

「いや、ええよ。むしろアレから天野さんを助ける事出来て良かったし…」

「あ、でもでも！櫛野君の事は、異性として見た事はないですけど、同じヒトとしてちゃんと好きですから！」

「おん、むしろ人外に見られたら俺空中分解したくなるわ」

まぁ、とにかく…

「…恋愛経験ないというのが、令和ロマンさんやマネージャーの子に驚かれまして…むしろ今まで1回もないという事実に、何だか3人からドン引きされて」

「(…ホンマにドン引きしたんかな、あの人達。ま、天野さん可愛いから…今まで彼氏おらんのは意外やろな。
―――クソな元婚約者の話を聞いてからは、今まで彼氏おらんかった理由に今は納得してるけど)」

「で、そこから…今まで静かに心の中で、異性について私の中でぐるぐる考えて…そしたら…櫛野君の言葉の意味…というか真実が理解出来て……」

「…俺、君に告白したんやけど!?返事はすぐやなくて良いとは言ったけど！」

「ごご、ごめん！」

「焦らし過ぎて逆に枯れそうになったわ。まぁ…今も天野さん好きやけど」

「…すみません」

「…昨日の一件で更に好きになってん。せやから…返事、聞かせて欲しい」

「！」

告白の返事…

櫛野君は私が好きで…それは、恋愛感情という意味で…

で、私は…でも何だろう…どうしたら…

「あの…」

「と、言いたい所やけど、やっぱ答えられんやろ？」

「えっ…!?」

どうして、分かったのだろう。

「何か、こうして色々天野さんと本音で話し合ったら、何となく考えてる事分かったもん」

「…面倒臭いよ。私の答えというか、考え」

「ええよ。承知の上やし」

…そう。
櫛野君が私を好きでも、私は私が嫌い。
そんな状態で櫛野君に答えを出すのは、失礼な気がするのだ。