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居心地はとても良い。
神保町の皆といる今が、幸せだ。
私は…休んでいる身なのに。
メンバーに入って間もないのに、こんな形で休養になって。
それでも、私を…
「まーた暗い顔」
「！」
コツン、と頭を小突かれる。
痛くない。
「またアホな事考えて…」
「…考えたくないよ。色々と前向きになりたいもん」
「ま、人間そう変わらん。ましてや努力家で真面目さんな天野さんやと余計にな。後、意外と頑固」
「む……」
何だか、もう櫛野君の前では誤魔化せない。
昨日…思いっ切り櫛野君の胸元で…
「っ！」
顔が真っ赤になる。
あんな、人に抱き着いて泣くなんて、年齢的には子供じゃないのに！
……でも、隠せないなぁ。
「……私、いつになったら神保町に戻れるのかなって」
「？そら、ドクターストップ解除されてからやろ？」
「今すぐ解除して欲しい…」
「それはアカンて言われてるやろ？今休まんと、天野さん無理するから」
「…無理、してたのかなって。そんなの分からなくて」
「無自覚が一番怖いからな」
お笑い芸人するのが、大好きなのに。
大好きだからこそ、認められる為には何だってしたいのに。
大嫌いな自分に出来るのは、それなのに。
「…自分が面倒臭いって感じる」
「自覚はあるんやな」
「…つまり櫛野君も思ってたんだね？」
「面倒臭いよ。でも、俺はそんな天野さんも好きやし」
「………有難う」
沈黙。
「…天野さん」
「何？」
「その、さ…俺も俺で面倒やし、急かしたくはなかったんやけど」
「うん」
「…天野さんが入院して目が覚めた時、俺…天野さんに告白したやろ？」
「……」
「………え!?覚えてない!?」
「や…覚えてるよ。でもその…恥ずかしいのだけれど」
「え、え!?」
「……その告白されてから暫くの間…櫛野君が私を好きっていうの……変に解釈したというか…」
「解釈って…」
「…実は「俺は天野さんが好きやから、天野さんも自分を好きになって」って激励かと思ってた。だから…実は返事って言われたの、あんまり理解出来てなくて…」
沈黙…そして…
「…通りで告白の返事遅いと思ったぁぁ！このアホ！何をどう解釈したら告白が激励に聞こえるん!?確かに励ましたけど！」
「や、あの時酷く暗い気持ちで…そんな中で「守る」とか「負けへん」とか「一緒に戦う」とか「味方」とか…熱い友情感覚でした」
「少年漫画思考かぁぁ！」
「そんなつもりは…」
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作者名：氷柱 | 作成日時：2023年11月4日 2時
