Arco Iris Ⅴ (ページ20)

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「古城が料理撮るって珍しいなぁ。インスタに投稿？」

「気が向いたら。一応コレは今休養してはるなかむらに」

「しゅんちゃんに？」

「腎臓に石出来たやろ。それにアイツも天野さん気に掛けてたし…彼女も俺らも楽しんでますよ、てな」

「(最後は最高のマブダチ関係でええのに……腎臓結石患者にあんま宜しくない料理ばかり送るんは良くない…ってそういうんは言わん方がええよな)」

ついでに古城も、荒川と仲睦まじく…？談笑しとる。
何か少し妙なモンを感じとったけど…
後、俺の相方の名前出してたな。アイツらは同期の仲間やし…なかむらと古城が仲良くする分にはホンマにええのに…

周りの後輩らが俺の顔を心配そうに見てる。アカン、顔に出たらお終いや。いくら何でもガキ過ぎる。

…いつか桜野さんと共演する事になった時…俺、態度とか大丈夫か？
失礼のないようにはするけど、嫌そうな顔出さん様に気を付けんとな…

桜野さんの姪で、彼と顔の造形そっくりな野宮さんに対しては、よろしくない感情は抱かんのに。

まぁ…うっかりあの日、Aがカメラの操作を誤って…あのナイスバディな姿を見てもうたから、別の意味でよろしくない感情を抱いてるけど。

頼む、俺とくるまはそれを墓場まで持っていくから、どうかバレませんように…

ふと、女性陣の歓喜の声が響き渡る。

「可愛い…！」

「天野さんの大好物、フルーツサンド盛り合わせでーす！」

「私の大好物…！知っていらしたのですか!?」

色とりどりのフルーツサンド…!?何!?このエグイ量は!?

「新鮮な内に撮りましょう！」
「コレはもやはアート！」
「むしろ食べるのが勿体ない…！」
「でも食べないと！完食して初めて芸術は完成するから！」

何か最後の奴、名言の様でそんな大した事言うてない気するけど!?

「Aちゃん、本当に放置すると全部食べるからなぁ」

「本当、際限なく完食するよね。まぁ流石にあんな量は食べきれないと思うが」

「…くるま、そんでケムリも…何でそんな遠い目を？」

そんな訳で、食後のデザートにと皆…というか主に女性芸人らがフルーツサンドに夢中になる。

ちなみに古城はというと…右に荒川、左に早乙女…傍からみたらハーレムにしか思えん。

「楓、美味しいよ？食べようよ」
「古城、マンゴー好きやろ？」

「…いや、いらへん。今日は特に生クリーム欲しない」

「でも古城甘いも―――むぐっ!?」

「言うな」

…何やコイツ。