・ ページ18
そんな俺らの会話が他の人にも聞こえたんやろう。
女性芸人がこっちに駆け寄る。
勿論お目当ては……
「Aちゃーん！わ、1人で出来たか！超可愛ぇ〜！」
「おぉっ、髪もメイクも完璧やん」
「っていうか松井君ズルイ！�眸耄彪�も京極さんも！」
「Aちゃん、ガールズトークしよう！」
「一度天野さんとガッツリお話したかったんよー」
「え!?あ、その…よ、喜んで!?あ、皆さんまた！」
こうして、エルフを筆頭とした女性芸人に囲まれたAは、そのままその集団の中へと溶け込むのであった…
というかA…
「喜んで」って。君は居酒屋の店員か。
「モテモテだなぁ、Aちゃん」
「あっという間に女の子に囲まれたな…」
「…こういうん、男に囲まれるんがありがちな展開や思うけど」
「京極さん。それはないですよ。そんなものは漫画やドラマしかありません」
「む……」
くるまの言う通り……か。
確かに、1人の女子が男に囲まれる…そんな逆ハーレムは現実世界ではあんまり見ないわな。
オタサーの姫ぐらいか？
否…そもそも「人に囲まれる」という所謂密状態に今も尚抵抗ある世の中やから、非現実的なモンやと考えてしまうんか？
「イケメンが女性に囲まれる、女子が女子を囲う、男性が男性を囲むという状況はあっても、野郎共が女子を迫るなんて状況、俺が許しませんからね！」
「口悪いな。というかお前が嫌なだけかい。それそこ非現実やろ」
「だって嫌でしょ！変な男共に囲まれて、暑苦しそうにしているAちゃんを守れないのは！」
「苦しいやなくて暑苦しいんかい。そない心配せんでも、あの子は絶対にすんなり逃げ切るから大丈夫やろ」
そう…意外とあの子は逃げ切る。逃げ足が速いし、身軽や。とにかく運動神経が凄まじい。
というかくるま…仮にAがそないな目に合うても「暑苦しそうにしている」で済ませる辺り「Aちゃんはどんな状況下においても確実に逃げ切る」て信頼しまくっとるやないか。
「ま、そうなる前に俺らが助けに行けばええだけの話や」
「…そうですね」
にしても、男性が男性を囲む状況…むしろあるんか？
でも清潔感のある人なら…？芸人で有り得るとしたら、スターダストの桜野さんとか…
……桜野さん？
「京極さん、どうされました!?」
「え…もしかしてさっきより具合が…」
「いや…何でもない」
個人的な理由で、俺自身が敵対心抱いとる人の顔を思い出すなんて…ホンマ俺らしくもない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 28人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：氷柱 | 作成日時：2023年11月4日 2時
