再会 ページ15
そんなこんなでもうすぐ目的地まで後少し
しかし、何やろ。
Aと古城の奴、距離近いなぁ…
うっかり前言撤回してまうけど、やっぱちょっと嫉妬してまう。
うーん…複雑な気持ちや。
「天野さん」
「はい？」
恐らく荒川に連絡しようとしたんかな。
スマホを操作していたAに、古城が声を掛ける。
「そんストラップ…」
「コレですか？綺麗な星ですよね！お気に入りです！」
「コレも秋一兄さんからのゲン担ぎなん？」
むっ……!?
桜野さん、またAに捧げ物!?しかも即Aから宝物認定されとるし！
流石にちょっと馴れ馴れしいと違う!?
ほいで古城…お前桜野さんの事を「秋一兄さん」て呼んでるけど、あの人とお前は出会って2年かそこらやろ？
…俺の方が大阪時代と合わせて付き合い長いんに……
あ〜…何や、嫉妬ばっかして、なっさけない！俺らしくないわ。
「いえ、コレは違いますよ」
「あ…違うん？」
何や、違うんか。
「昨日スマホ関連で色々ありまして…」
「えっ…壊されたん？」
「まぁ…似た様なものですか…ね？でも、そんな時に森下さんが助けて下さって…彼と彼の先輩芸人さんのご協力の元、スマホを治して下さいまして」
「……森下さん？」
「はい！昨日の夜に満優さん経由で返って来まして…その際に森下さんが私にと、これを下さったのです！」
満優さん…野宮満優さん、つまり「森下さん」とやらは彼女の相方の森下月斗さんか。
「ほぉ…あの森下が」
森下？今呼び捨てにしたよな？
「綺麗な星と、三日月や満月もありますねぇ。やっぱり古城さんも、お友達として気になりますか？こんなに可愛いストラップ―――」
突然
古城はAに勢い良く壁ドンをする。
Aは当然目を見開く。笑みは崩しとらん。
「おい古城!?お前何して……」
「天野さん、一度しか言わんから、俺のこん忠告聞き入れろ」
「は、はい…？」
「大阪…いや、世界ん中でも異質のアイツを……あのクソけたましいリアクション、興奮する程甲高くなる耳障りな声、俺の神経を逆撫でするあの犬…
あんな奴、友達やないし、むしろ知人であるという事実だけでも悍ましい。
これでも番組一緒にやったから一応は仲間付き合いする。やってその辺はもう仕方ないから。何よりウチの蜜柑と満優姉さんが親友やから。
つまりは…俺と森下月斗は永来永劫友情なんか結ばん。コレは世の理、宇宙創生前から決められた事や。分かったな？」
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作者名：氷柱 | 作成日時：2023年11月4日 2時
