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「どこの学生かは知らんし、敢えて聞かん。分かったら、もう2度とそんな真似すんなよお前ら」
京極さんが「ほな、行こう」と言って、彼らから離れようとした時……
「おい……！お前ふざけんなよ！」
「ぐっ!?」
グループの1人が、京極さんの襟を掴む。
「おまっ…!?」
「京極さん!?」
「お、おいヤバイって！何してんだよ！」
「横からかっさらってヒーロー気取ってんじゃねーよ！チビ！」
その人は、そのまま京極さんを突き飛ばす。
「京極さ……きゃっ！」
「おい！本当にマズイから！」
「落ち着けって！今回は縁がなかったんだよ！」
「うるっせーなー！お前もお前で、女の癖に、黙って言う事聞いてりゃいーんだよ！」
「嫌！離して！」
1人が私の腕を痛い程掴み、仲間の3人に対しても悪態を吐きながらどこかへ連れて行こうとする。
誰か……！
「―――へぇ、日本成人男子の平均身長をおチビて、日本の未来を見据えた上で発言してるん？それは何とも頭よろしおすな」
ん……!?
「この声…というか京都弁は…」
「もはや嫌味も皮肉もネタの一環としか感じんくなった、このお国言葉は…」
「……2人は2人で、それで俺や判断されたら逆に虚しゅうなるわ」
「古城さん！」
「古城！」
「あ!?なんだお前、またチビが来やがって…」
「ところで、早うせんと、待ち合わせ場所に遅れるさかい。特に天野さん、アンタが来いひんと食事会の意味なくなるわ」
「は、はい……！」
「京極さんも、いつまでもそないな所で落ち着かんと、行きましょ」
「お…おう…別に落ち着いてへんけど」
「……と、いう訳で…エライ若く見える学生のお兄さん方、公共の場で賑やかにしてはりますけど、僕らはこれで失礼しますわ」
「お、おい……何生意気な―――あっ!?」
男の人が油断した隙に、私は急いで離れる。
そして私は一言
「―――サイッテーです」
自然に口に出てしまうのであった。
「あぁ、そうそう。アンタら、気を付けた方がええよ。既にアンタらの楽しそうな姿を記録してはる人らおるから」
そう言って彼らは辺りを見渡すと…
私達の顔を見て、頷く人達
スマホを片手に彼等を蔑む人達
…彼らの学校を特定しようとしてるのか、駅員さん達と話し合っている人達
彼らはそそくさと逃げ出した。
唯一騒いでいた男は「おい！待ちやがれ！」と後を追うのですが……途中階段から転んだのか情けない悲鳴が聞こえました。
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作者名：氷柱 | 作成日時：2023年11月4日 2時
