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古城さんはそう言うと…周りを見渡す。
というよりは…特定の人間だけを顔で追っていると言った様子だ。
良く見ると……何人かが古城さんから顔を背けている。
それは、乃川さんをひたすら愛している人達…崇拝者だ。
「おいっ…！雪希を愛している奴等を何怖がらせてるんだ！そんな事をして、雪希を孤立させる気か!?」
「乃川さん、アンタら「天の川」さんが解散してもうた件については、正直どうでもええ。第一、俺そん頃のアンタらの漫才全然知らんし、今更知りたいとは思わん。興味ないし」
古城さん…そこまで言います!?
確かに彼らが上京する前には、既に彼女達は解散してましたけど！
「でも、相方選びはもう少し慎重になった方がええんと違う？今のアンタの相方がどんな顔でどんな姿か……何や、思い出そうにも拒絶反応起こしてまうけど……分かる範囲で言えるんは、アレは先輩に対して敬語使わんし、何なら挨拶もせんし、したとしても適当やし。
オマケに実力のある芸人は先輩後輩問わず悪く言うさかい。話するだけで気分悪なるわ。
元々評判悪い人間やったけど、1度話しただけで「コイツには容姿と笑い以外誇れるモンがない」て感じた」
「なっ!?」
「けど致命的やね。礼儀とか相手を敬う心があれば、そん人の美しい容姿や笑いのセンスを純粋に称えられるんに……それがない故に、容姿なんか残念に見えるし、笑いのセンスは失笑モンや。何言うても、もう俺は笑えん。
ご主人様があんなやと、下僕のアンタにも悪影響やし、今の内に取り除くか治療した方がええかもしらんな」
「……自分を通して、目の前にいるはずの南雲さんにボロカス言ってる気しますけど」
「とにかく、アンタの何重にも覆われた化けの皮が剥がれ、虚像の壁が崩れるんを楽しみに待ってるよ。ま、アンタの今の相方はホンマに残念やけど。正直、俺の人生ではいらん方やし、存在を認識せんでも大した影響はない気する」
「お、おい！それを人はシカトとか無視とか言うんだぞ!?虐めだぞ!?お前、最低だな！」
「どの口が言……ぶっ!?…むぐっ!?」
古城さんに…手で口を覆われた！
その際の塞ぎ方がなんかおかしかった！
パチン！って感じで覆うから、痛くて仕方ない！
「そういえば、アンタの相方の元彼女さん“達”が、どんでもない形相でマンゲキの入口で色々叫んでたけど、何やろな。乃川さんも、アレに巻き込まれん様に気を付けてな」
え？南雲の……元彼女さん“達”だって？
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作者名：氷柱 | 作成日時：2023年9月12日 0時
