・※※※ ページ6
「癌って…何なんだよ、アンタは！そりゃ俺達は人間だから、天野さんを嫌う人もいるだろうよ！だけど、嫌いなら放っとけば良いだけだろ！それが追い詰めて良い理由になるかよ！」
「今の言葉を…いや、これまでに吐いた天野さんへの暴言を全て撤回しろ！これは天野さんに対する侮辱だ！」
古市と箕輪が怒りのままに南雲を糾弾する。
怒りに満ち溢れているのは、金魚番長だけやない。
ここにおる芸人全員が、南雲に対する怒りで…女性芸人に至っては汚物でも見るかの様な目や。
それは俺も例外やない。
ましてや、好きな人を…守りたい女性に対する発言…許せん輩とは毎回思っとったけど、今回ばかりは憎いとさえ感じてしまう。
「はぁ？撤回？お前ら、俺の後輩なのに生意気だな！」
南雲は醜い表情で、汚い声でゲラゲラ笑いながらほざく。
その直後…顔を更に歪めながら言う。
「アレは癌だよ。それ以外何だって言うんだ？天野のせいで、こんなに不愉快な思いや面倒な問題に巻き込まれて……それまで普通に芸人生活を送っていたのにさ」
「何言ってんだよ！天野さんは―――」
「今俺が喋ってんだよ小僧」
「うっ…」
「…お前らみたいな奴等はまだ良いよ。天野のせいとはいえ、比較的平和に…楽しくもなんともない気が滅入る芸人生活送ってんだから。
けど、天野と関わった奴等はさ…大半はどうなってるか分かってるよな？
ある者は天野に腹が立って思わず階段から突き落とされ逮捕され
ある者達は天野の悪口や侮辱を言いふらしただけで、意味なく怒られて辛い思いをして
ある者達は…天野が勝手に倉庫で気を失って、それが要因で天野に色々していたのがバレて何人か芸人辞めさせられるどころか警察行きになって……
…天野はな、ガン細胞なんだよ。生まれただけで、周りに悪しか…不幸しか与えない、この世から取り除かなきゃいけねぇ癌なんだよ。
なぁ、悪い事は言わねぇよ？天野と関わったら、お前らが辛くなるだけだから。
お前らだって、平穏な芸人生活を歩みたいだろ？な？」
あぁ、アカン。
分かりたないのに、分かってまうこの感情。
俺は、こんなにも、この男を…
俺の人生から、消えて欲しいと思う程…
「…絶対に許さねぇ」
俺は箕輪と古市を押し退け…
「あ？」
「！櫛野…」
「お前…」
天野さんの…
彼女の人生を不幸にする元凶に、彼女の痛みを…！
「アンタ、ええ加減にして欲しいねんけど」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 20人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：氷柱 | 作成日時：2023年9月12日 0時
