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しかし、どうやってこの美少女さんはこんな野蛮人に一撃を喰らわせたのでしょうか。
この金色のウェーブが綺麗な方のファッションは、白いワンピースに茶系のブーツ…
そのワンピースも、前が腿の辺りまで短く、後ろは裾がとても長い仕様だ。
一先ず兄の側近の背中を見ると…何かめり込んだ様な跡が…
「はぁ…お前…狛犬の櫛野君だろ？で、そこの可愛い子が、あの有名な天野Aさん」
「あ、はい」
「…え？なんか俺に対して偉そうやない？君」
「何でコイツがこんなにも痛そうにしてるのか分かる？」
え？
「えっと…全然」
「ま、そうだよねぇ。そんなオジサン靴じゃ分からないよね〜」
「…えっと？」
「…おい、この子を馬鹿にしてんのか？」
「そう怒らないでくれない？まぁとにかく…コレだよ」
そう言って美少女さんは脚を上げ…ブーツの踵を主張する。
「って！女の子がそんなはしたない…！」
「僕は残念ながら女の子じゃなくて男の娘だよ。それに安全の為にショートパンツ履いてるから問題ないし」
「え？今、何て!?」
「とにかく、これはウエスタン…カウボーイブーツとも言うんだけど、その名の通り乗馬向きの靴なんだよ。だから踵が高い上にギザギザ状で丈夫に作られてるんだよ」
……つまり。
「あの、それで攻撃喰らったら…」
「タンスに脚の小指ぶつけるのと同じ……範囲は小さいのに痛くて堪らないよ。良かったよね、コイツは…」
その美少女男さんは、兄の側近を見下ろす。
「可愛い女の子を酷い目に合わせる奴は、この先子孫作らせない様にコレで潰そうかと思ったけど…同じ男としてそれは反則かなぁって辞めた。想像するだけで……うわっ、想像しなきゃ良かった！あー、何で僕、男に生まれたんだろ！後悔した！」
「……櫛野君、大丈夫？そんなその…そんなとこを、お、抑えなくても」
「護ってんねん……誰か、あの色気のないお下品で汚い言葉しか吐けない怨霊を成仏させて」
「美少女男さんを悪霊扱いしてる？」
「クソッ……お、覚えてろ！」
……敗北確定な捨て台詞と共に、兄の側近は去って行った。
「スマホ…」
兄の側近がいた場所に、ソレはあったけど…正直、触りたくないな…
美少女男さんは…それをひょいっ、と拾う。
「GPS機能やらなんやら言ってたけど…何？そんなヤバイの組み込まれたの？」
「可能性は…あるというだけです」
「ま、如何にもヤバそうなクソ野郎だったもんねー」
口悪い…！
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作者名：氷柱 | 作成日時：2023年9月12日 0時
