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天野家と、繋がっている…？
そんなはずは……
「……元家族からは、私はもう天野家ではないと…私は私でやりたい事があるから…だから…」
「舌を噛み切ろうとして、天野家を説得しようとしたんだな。あぁ、そうだ。お前は天野家に迷惑をかけた。だから追い出された。絶縁を叩き付けた」
「なのに、繋がっているって…？血筋なんか、そんな重要じゃないはず。それに、嫌がらせって…」
まさか……南雲!?
でも、だとしたら納得がいきます。
アイツは、初対面の時から私を敵視していたから…
「アイツが……」
「おいおい、アイツって言い方…」
「あ、あんな事されて…大切な子と引き離されて……今だって……先輩とはいえ、アイツって言いたくもなります！」
「……？とにかく、お前は天野家に償わなきゃいけねぇんだよ。お前は篠様のお役に立つ為だけに産まれた道具なんだから」
「！い、いやっ……！」
私は話を終えていないであろう兄の側近から逃げようと、掴まれている腕を必死に振り回す。
ビリッ、とカーディガンが破ける音がしたけど、そんなものはどうだって良い。
私はその場から急いで立ち去る。
待て！と後ろから声が聞こえる。
暫く入院しているからか身体が少し鈍い気がするけど、今はそれでも逃げるしかない。
なるべく遠くに、あぁでも荒川さんと満優さんに連絡しないと
どうしたら…どこか…一度、家へ…ダメだ、もし追いつかれた時、満優さんや桜野さん達に迷惑がかかる。
しかし
ガシッ、と腕を掴まれてしまった。
「！い、いや……」
思いっ切り腕を振り回し……
…たのですが、何故か驚く程アッサリ振り解いてくれた。
不思議に思い、後ろを振り向くと…
「く…櫛野君!?」
「――――!!――――!!」
「!?」
「―――…――!!……!!」
……？
「え？何？モールス信号みたいになってるけど…」
「お……！(俺をそうさせてんのは天野さんでしょ！)い……!!(いや、天野さんに何の非はないんやろうけど状況分からんし)そ……！(そもそも天野さん何をそんな全力で走ってんの!?)」
「ど、どうしたの？そんな息切らして」
「ぎゃ、逆に何で天野さん息切れてへんの!?必死で逃げてる最中なんは誰の目から見ても明白やし！むしろちょっと全力ダッシュした俺の方が死にかけて……うっ…ごほ、ごほ…！」
「…そんなに必死だった？」
「比喩表現やけど、風の速さやったよもう！」
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作者名：氷柱 | 作成日時：2023年9月12日 0時
