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幼少期から高校時代まで、私は孤独でした。
今も孤独感が無い訳ではないですが…
漸くここ数年で、令和ロマンさんを始めとする優しい方々に出会えて、現在進行形で癒えてる状態です。
けれど…それまでは、誰も味方はいませんでした。
特に高校1年の頃、兄は高校3年
学校も同じ場所に通わされた。
つまり…私が入学するまで2年間、兄は決して少なくはない学生を味方につけ、妹の私の無い事を言いふらした。
それをせずとも、兄は神童を言われていたから憧れる学生は数多い。
そんな中でも…彼…この人は、兄を崇拝していた。
兄からの信頼を得る為に…私を…
「…何故、貴方がここに」
「この建物はな、天野財閥が経営しているんだよ」
「ここで、働いてるんですか？」
「お前、天野家を追い出されたから何も知らねぇんだな。俺は今、篠様の側近なんだよ」
側近…やっぱり、か。
彼は天野家の傘下にあった子会社の社長息子の1人。
兄さんにすり寄る令嬢や子息は大勢いたけど、彼だけは本気で兄を慕っていた。
…そして…天野家とのパイプをより強くする為に、私は彼と結婚させられそうになった。
私に嫌な思いをさせて、私を酷く嫌っているのに…兄の傍にいられるからという理由で私に暴言を吐いて結婚を迫って……！
「…か、返して、下さい。もう、私は…天野家とは、関係…ありません」
「あぁ？」
「天野家とは、縁を切りました。私はもう高い地位も、何の権力もない人間です。貴方と、私の兄だった方の邪魔は一切しません。だから…返して、下さい」
「良くねぇよ。何、天野家に何の貢献もしねぇで逃げてんだよこのアマ」
いけない。
ここから逃げないと。
やられる…！
私はその場から逃げようとして…
ぎゅうっ、と二の腕を掴まれる。
「いっ……！」
潰されるのではないかと思う程、痛くて堪らなかった。
「篠様の妹というだけでも、お前は汚らわしいんだよ」
「……私、に、貢献出来る事はない。貢献なんかしない…天野家は、私を必要としないから！」
「お前は一生天野家の道具なんだよ。篠様の暇潰し程度の玩具のくせに、逆らうな」
「わたっ…私、私は…ただの天野Aです。天野篠さんという方とは、何の関わりも…」
「だからよぉ…お前気付かねぇのか？」
「え？」
「―――お前、まだ天野家と繋がってんだよ。
何でお前が、芸人仲間から嫌がらせされてんのか、まだ分かんねぇの？」
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作者名：氷柱 | 作成日時：2023年9月12日 0時
