Arco Iris Ⅳ (ページ34)

今日:19 hit、昨日:23 hit、合計:10,214 hit

・ページ34

「なかむらの送別会ん時みたいな展開や思ってたんに…」

「皆、オレンジ日和と仲良うしたい思いが強かったから！というか、しゅんちゃんの時はホンマにウチのミスやから」

「…同期ん皆に声かけたけど、全員既に予約やら何やらで時間確保出来んくて…まさかの鳥貴族の長い机で荒川となかむらがサシ…ある意味見たかったよ」

「……何であの日、古城来んかったんー!?特に用事なかったやろー！」

「いや普通に無理。俺に至っては前日やん。先約あったから」

その日、私も先約あって無理やったし。

「って、そや！蜜柑ちゃん！」

突然荒川ちゃんは、矛先を蜜柑ちゃんに向ける。
今まで私と同じ傍観者やった蜜柑ちゃんに。

「蜜柑ちゃんも何であの日送別会来なかったん!?ウチ声かけたんに、YesもNoもないまま！」

「……単純にぃ、なかむらさんとあんまり親しくなかったからかなぁ」

「いやいや、しゅんちゃん、同期の中では古城やウチやはるちゃんの次くらいに話しかけまくってたよ!?」

「………」

「蜜柑、正直に言うてええよ。大してなかむらに興味なかったんやろ？」
「……うん」
「安心して、俺もそこまで興味なかった。今は…おん」

「そ、そうやった…そん頃はオレンジ日和のダークサイド時代…！」
「ディスりにディスって、他の芸人らがどれだけメンタルがガン萎えしたか…！」

「…そないしょうもない内容ばっかいつまでも喋らんと、今は俺らやなかむらよりも天野さんや」

ちなみに古城のこの反応は、なかむらに対して微妙な感じ…ではない。
ホンマは友達や思うてるんに…何そんな恥ずかしがってんねん。

「そもそも、そん飲み会は女性芸人だけでええやろ。蜜柑でもはるでも、何なら先輩の紅しょうがさんでも…なんで神保町やねん。男も含まれとるし」

「こういうのは絶対に顔見知りの方がええやん！なら神保町所属芸人の皆でやった方が喜ぶって。大丈夫、あのサイテーでキモイダサイアイツらは呼ばんから」

「……とりあえず……なかむらの送別会みたいな展開は避けてな。俺も誰かしら神保町マンゲキのマシな奴、誘ってみるから」

「ありがとー！」

「期待はせんといてよ。お前みたいにコミュ力高い訳やないし…はると蜜柑も、出来得る限り声かけてな。マシな奴なら誰でもええ」

「う、うん、分かった」
「あいあいさー」

……マシな奴…古城君にとってのマシな奴以外の奴が気になるわ。
にしても古城君…なんやかんやで荒川ちゃんに甘いなぁ。