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古城の方は分からんけど…荒川ちゃんが、古城に気があるんは何となく見て分かる。
NSCの頃は今以上に口喧嘩が絶えんかったけど、互いに興味がないとそんな間柄にはならんという証明でもある。
古城が男芸人に嫌がらせされてたら、荒川ちゃんが身体張って突撃して追っ払ってたし
荒川ちゃんが男女関係なく陰口言われてたら、持ち前の皮肉や嫌味満載のお国言葉で連中を撃沈させてたし…
意識してるやんお互いに…何やねんもう。
「で、俺と蜜柑の門出を祝おうとして…USJに行こう言い出したよな」
「うん…出来るだけ声かけられる芸人は声かけたよ」
「……何で見取り図さんまでおったん？何で彼等大阪に帰って来たん？しかも彼等筆頭に何人か先輩芸人まで集まるて、どういう伝え方したん？」
「それは前も言うたやろ！古城と蜜柑ちゃんともっともっともーっとお話したかった！て言うてた先輩芸人大勢おったし…」
「アインシュタイン河井さんまで何でおったん？俺、あん人芸人中で一番苦手や言うたやろ」
「ゆずる兄さんのことは苦手でも、嫌いではないやろ？まさか来られるとは思わんかったけど」
「……意外やったな。俺んことごっつ嫌って…俺を見放してたはずの河井さんが、あの日俺を気色悪い程心配してたし。体調とか、人間関係とか」
「元々面倒見ええ兄貴気質かもしらんし、困った人を放置せん優しい先輩やからかも知らんけど…一番は、やっぱ古城がホンマは優しくてええ奴て内心分かっとったからやない？」
「……絶対にあん人とはサシで飲みに行きたない」
「えー？もー、また可愛くない事言うー」
思い出す…
そう、最初はホンマに同期…というよりは同期含む大阪マンゲキの比較的仲ええ芸人らで遊ぶ予定やった。
しかし荒川ちゃんが東京の仕事で見取り図さんと一緒になった時、それを2人にポロッと口にしたんや。
見取り図さんの2人は、マンゲキの番長時代からオレンジ日和の事をとても気に掛けてた。物凄い心配してた…
けど…ウチらや見取り図さんが東京進出して1年の間で、古城が少しずつ他者に心を開いてるのと、蜜柑ちゃんが自分の意思をハッキリ言える様になったんや。
それを荒川ちゃんの口から知る事が出来た見取り図さんは大喜びのあまり、まず古城と敵対しとったゆずるさんに伝え…NSC26期生、ミキさん、霜降り明星さんエトセトラ…
「お前の「同期で」とか「少人数」とかホンマにアテにならん」
「それはホンマにたまたまやって〜！信じて〜！」
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作者名：氷柱 | 作成日時：2023年9月12日 0時
