ドエライことになりました。 ページ30
「えっと……何だか、緊張しますね」
「友達を誘いたい！ってだけなのに？」
「ひ、久々で…それに私、誘われる方が比較的多かったです」
「そうなんだ。なら経験値上がって良かったじゃん」
解散前は、特に先輩や同期と遊ぶ回数が多かったのですが…
私が「ここ行きましょう！」と何人かを誘えば、その数十分後に当日の待ち合わせ場所や時間…何ならスケジュール全てがいつの間にか決まるという展開が多かったです。
…いや、私も一緒に計画しますし、むしろ参加させて下さいよ…と何度思った事か。
その内の1人であった�眸耄匹気鵑蓮峅兇發世韻匹機張▲ぅ帖�君と一緒にどこかへ行けるのが嬉しいんだよ」と言って下さいましたが…無理のあるフォローな気がしました。
嬉しいだけで、こんなに色々と決まるものなのでしょうか。
「と、とりあえず…」
荒川さん、お久しぶりです。天野Aです。
体調もだいぶ良くなりましたので、良ければどこか食事しませんか?
勿論荒川さんの都合の良い時で構いません。私は今の所何の用事もないので!
「最初は食事、そこから色々と遊んだりなんかしてね。良ければ、美味しいカフェ知ってるから後で教えるよ。秋一兄さん行きつけのパスタ屋さんとかも。私もそこでガッツリ食べた」
「パスタ…！」
「おっ、何が好き？」
「トマトクリームです！」
「うん、それもあるある。絶品だよ。何なら、女芸人で女子会もしよう」
「したいです！」
「…こうしてさ、好きな人達と未来の事考えるの、楽しいでしょ？」
「！」
楽しい…
明日、明後日、1週間後、1ヶ月後…1年後だって
「…今私が抱えてる悩みよりも、そっちを考える方が好きです」
「でしょ？良いんだよ、好きな食べ物とか、あそこで散歩したいとか…少し奮発して良いお酒飲みたいとか」
「はい」
そう言えば先程の話で、野宮さんは「自分が魅力的になる秘訣」というのを教えて下さいました。
そしてふと思い出したのが…櫛野君が少し前に私に「好き」と仰って下さった件です。
それまでは何の自身も取り柄もないと自己嫌悪していた私を…
―――俺、天野さん好きやから。やって、努力家で、笑わせようと身体張って、何よりファン大事にするし…芸人としても人間としても、優しくてええ子やから。
そう、か。私の魅力を、長所を、櫛野君は…
櫛野君。本当に返事が遅くなってゴメンなさい。
でも私……漸く答えが見つかりそうだよ。
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作者名：氷柱 | 作成日時：2023年9月12日 0時
