Arco Iris Ⅲ (ページ38)

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大事な妹分ページ38

〈男……？〉
〈なん…やて…？〉

どういう事…!?
キッチンにいる人が、細身の男性にしか見えないのは何故!?

〈まさか違う部屋だったとか!?〉

「でも、私の荷物、随分前から到着していましたし…今日だって古城さんがここまで案内して下さって…」

〈古城が…？え、そん古城はおらんの？〉

「はい、大阪の方で仕事があるという事で途中で…」

〈ほんなら、もしかして古城が早目に戻って来たとか？〉

「いえ…背丈がその…古城さんより結構高い気がします。後ろ姿をパッと見ではありますけど」

〈(ん？171cmの古城さんより結構高いって事は…)〉←173cm
〈(超高長身男子に部類するんか…)〉←170cm

「ついでに言うと古城さんの髪型でも、ついでに髪色でもありませんでした。少し薄目の茶色…亜麻色？っぽい色で、それをハーフアップになさってました」

〈…チャラいやん。かなり〉

少しだけ不機嫌そうな声になる京極さんですけど…そりゃそうです。
本来の予定とは全く異なる現象により、私と言う後輩がパニックを起こしてしまったのですから……すみません…！

〈案外仕事無くなって、で…Aちゃんを労わろうとご飯作ってるとか…？それはそれでかなり複雑だけど…〉
〈ホンマに古城とちゃうん？〉

「多分…それに、仮に古城さんが早めに仕事が終わったとしても、東京から大阪ですし…」

〈現実的に考えても有り得んか…〉

こうなったら…

「…もう一度覗きます。覗き魔になります」

〈だ、大丈夫？〉
〈堂々と犯罪者宣言したけど〉

「顔気になりますし…正面から見たら、実は美しい女性って可能性も！」

〈そうか…長身でガッチリした女性も、そこらにおるもんな〉
〈よし、俺達も見たいから…Aちゃん、ビデオ通話に設定して。それで…カメラの位置を外側に向けて……〉

そんなこんなで色々と仕込んだ後、私は再びキッチンの方へと足を運ぶ。
モデルの方と同居かもしれない、と願いを込めて…

……

…………

私は、再び自室に戻る。

「あの人、汗をシャツで拭いてましたね」

〈で、上半身がほぼ丸見えだったね〉
〈かなりええタイミングやったよな〉

………

「……私の知ってる女性の身体ではありませんでした…胸ではなく胸板でした…」

〈おん、アレは完全なる男や。しかも程良く筋肉付いとるし、スタイルええ男や〉
〈てか何であの人、覗かれてるのに気付かないんだろうね…〉

何が…どうなってるのでしょうか…