90、空飛ぶこたつ ページ12
「へーい！らっしゃーい！安いよ安いよー」
「掘り出し物たくさんあるよー！」
店員の大きな声に男は眉を顰めて歩く
彼の名はかの有名な幻影旅団の一人、フェイタンだ。
元々、こんな人が大勢いるところは好きではない。にもかかわらず、今日ここに来たのは同じく蜘蛛のメンバーのシャルナークに「掘り出し物の拷問道具とか見つかるかもよ」とそそのかされたからだ。
まぁ、その結果お目当てのものは見つかったからよしとしよう
(……ささとアジトに戻るね)
ポケットに両手を突っ込んで歩き出す。何歩か進んだ後、ドンッと前から歩いてきた人にぶつかった。
「あぁ！？おい！てめぇ、ぶつかっておいてゴメンなさいの一言もねぇってどういうことだ！？」
「兄貴、このチビやっちゃいましょうぜ！」
目の前には図体だけデカイ馬鹿が二人
フェイタンとその男たちの周りだけ、通行人が通るのを避けて半径1メートルほどの空間が完成した
(……面倒くさいね)
ここでこいつらを殺して逃げることは簡単だが、数日後ヨークシンで大仕事を行う予定なので目立つのは得策ではない
さて、どうするか
その時、ふと太陽が隠れた
上を見ると、何か四角い物体が浮かんでいる
次の瞬間、それは自分たちのいる空間に落ちてきた
「ぐふっ！？」
「ぐえっ！！」
フェイタンは素早く避けたが、フェイタンに絡んできた男2人はその四角いものの下敷きになった。
「何が起こったんだ！？」
「なんか落ちてきたぞ！」
土煙がおさまり、その四角いものの正体が分かった。こたつだ。それに人が乗っている
『いやー通行人の皆さん、驚かしちゃってごめんなさい！』
色んな店をキョロキョロ見ながら飛んでたら、間違えて着地のボタン押しちゃって
そう言って女は笑った。
『まぁ、人がいなくてよかったよね！』
「……いや、あんた今2人ほどこたつの下敷きにしてるけど」
『え！？』
通行人の指摘に女は驚いた声を上げ、おそるおそるこたつの下に目を向ける。そして無言で顔を上げるとにっこりと笑って言った
『皆さん、アディオス！！』
数秒後、ものすごい速さでこたつは飛び上がり女は消えた
まぁ、ワタシから見れば遅すぎるけどな。心の中で呟きヒラリとこたつに飛び乗る
これで人混みを通らずアジトに帰れる
フェイタンは1人ほくそ笑んだ
“空飛ぶこたつ”
(弱そうだけど便利な能力ね)
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ナオミ(プロフ) - 7年経って愛を叫びます (2022年8月20日 22時) (
レス) @page32 id: 835501e0e8 (このIDを非表示/違反報告)
あのね - 私も乗って2年経った今愛を叫ばせて下さいありがとうございます作者様大好きです。 (2022年2月20日 0時) (レス) id: 453c535205 (このIDを非表示/違反報告)
春(プロフ) - すごい五年経った今愛を叫ばせてください大好きです (2020年2月8日 17時) (レス) id: 9f43f80fe7 (このIDを非表示/違反報告)
亜美(プロフ) - Mizさん» ありがとうございます！！光栄でございます(*ﾟ▽ﾟ*) (2016年10月23日 17時) (レス) id: e1e6319445 (このIDを非表示/違反報告)
Miz(プロフ) - ほんと面白い！笑 (2016年10月17日 19時) (レス) id: 05c76846ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜美
| 作成日時：2015年5月2日 10時
