【おそ松さん】猫が人間になったんですけど【一松】

第１０松 ページ11

チョロ松side






一松が連れて帰ってきたあの猫…いや、人間？
台所で１回見かけてから、寝室に閉じこもってる。
おおかた服か何かを探しているのかな。





…それにしても驚いた。
猫が人間になったってことにも驚いたけど、
あの一松が人間を連れて帰ってきて、しかも女の子。






ご飯をあげて世話をしてるなんて。






あの子のことを猫と思っているのなら、納得がいくけど。
さっきのスプーンの使い方を教えている場面なんて
可愛く思っているような困ったような、
初めて見る表情だった。







(あいつもあんな表情するんだ…)






そんなことを考えていた時だった。
ゆっくりとふすまが開いて、目に入ったのは尻尾。






…尻尾？





「…いちまつ！」
「え、え、」
「いちまつ…？」
「い、一松じゃないよ。僕はチョロ松で…」





あの子がいた。
そして僕の顔を見るなり、一松と。
確かに六つ子。顔は同じだし見間違えたんだろう。






「一松は…？一緒じゃないの？」





そう聞いても、その子は立ったまま無言だった。
尻尾は下に垂れ下がり、耳もたたんである。
なにかあったのか…？






「ほら、立ってないで座って。ちょっと待っててね」





そういって、こたつへと促す。
ちょこちょこ歩いて座ったのを確認して、僕は部屋を出た。
もちろん、一松のところに。

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