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「私どもではA様がご納得頂けるような対応は致しかねますので、改めてこちらの売り場のチーフが
後日この件につきましてご相談させて頂きます」。
そんなこんなで家に来たのが、目の前の綺麗な男。
若くしてチーフらしいその男性、
渡辺さんは、銀色の小さなアタッシュケースを私の前に差し出すと
「どれも似たデザイン、同じ価格帯でございます」とこの中から好きに選ぶように言った。
目の前に並ぶのは４つほどのイヤリング。
そのどれもが確かに色味も雰囲気も私がもっているものと大差ない。
だけど。
私の狭い心の中に、ぽちゃん、と黒い雫が落とし込まれる。
「……渡辺さん、って言いました？」
「はい」
「私、代わりを用意してほしい訳じゃないって
売り場の女性にも言ったんですよね。…何度も」
「…はい、それはもう、重々承知致しております」
「だったらなぜまたこんな対応なんでしょう」
「もしかして私、…あなた方にとって煩わしいだけのお客？？」と、わざと棘のある言葉で彼の表情をこわばらせていく。
透明な中に一滴黒が混じれば濁って広がる。
最近の私の性根はそんな風に腐っていて、
こうして人を困らせることによって空虚な心が満たされていくようでならないのだ。
満たされていく。
…その反面、孤独が浮き彫りになっていくのも感じているのも気づいてた。
そう思った途端、
目の前でぐっと唇を引き締めて
真っ直ぐに私の目を見ていた渡辺さんがまるで見透かしたかのように、いきなり手に触れてきた。
何をするんですかっ？と素っ頓狂な声をあげる私を
遮るかの如く、
「…あなたが望むものは、きっとあなたにも分からないんじゃないですか？」と。
分かったように、手を握り、目を見つめて逸らさない
渡辺さん。
「…何を言ってるの？」
「……失礼を承知で申し上げています」
「…離して下さい、今日はもうお帰りに、
…………っ！！！」
とんっ、と頬が彼の胸に勢いよく触れた。
その時感じたのは
薄そうに見えた彼の胸板が
思いの外、……男らしかったこと。
温かかったこと。
優しかったこと。
彼の胸の音も
私と同じくらい忙しく……速かったこと。
「………寂しいんじゃない？本当はさ、
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ありす - 全部凄く面白かったです！ドロドロ感が最高です！！特に奇術師の愛の地獄がぶっ飛んでいて好きです！！いつも楽しく読ませていただいております！！続き読めたら読みたいです！！いつも楽しい作品をありがとうございます🙇♀️ (7月31日 1時) (
レス) @page50 id: b62757b173 (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - ゆきさん» ゆき様心躍るコメントを有難うございます😭♡そんな風に言って貰えれば嬉しいなと思って書いていたのです！私自身こんなお話が好みでどうもダークめにしがちなのですが、その部分を共感して頂けているようですごく有難いです。心から感謝です😭♡ (2021年11月30日 19時) (レス) id: 33b6f5a04f (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - ユッピンさん» ユッピン様、お待ちしておりました（笑）とんでもない、ただのカタストロフィなんです😭(?) 3つも挙げて頂けて歓喜です！いつかユッピン様にドロドロが好きでと言って頂けてからこの路線で書いていくことに自分でもハマれました。本当にありがとうございます！♡ (2021年11月30日 19時) (レス) id: 33b6f5a04f (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - みりぽんさん» みりぽん様っっ！今回も最後まで見てくださってありがとうございます😭♡ニコイチは現代ぽくない上にぶっ飛びレベルがちょっとアレだったので不安でしたが…。そう言って頂けて本当に良かったです😭ありがとうございます♡ (2021年11月30日 19時) (レス) id: 33b6f5a04f (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - なかさん» なか様いつもありがとうございます！そんなに褒めて頂けて、もう…もう…羽ばたいちゃいそうです😭♡こちらこそ、毎度感動するご感想を送ってくださり心から感謝です！今後もどうぞよろしくお願いします🙇♀️ (2021年11月30日 19時) (レス) id: 33b6f5a04f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Haruno
| 作成日時：2021年11月6日 6時
