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講演が終わって押し付けられた全部の掃除をこなしていると、落とした視界に「わ！」と突然入り込んでくる佐久間さん。
「わぁあっ！び…びっくりした…」
「にゃはははごめんごめん〜やりすぎちった」
「だ、大丈夫です…」
「どうもかわいこちゃん。1人でお掃除偉いねー？」
「ねえお名前なんて言うの？」「アイツらは掃除しねーの？」などと質問攻めをしてニコニコ。
白い肌、まんまるな目、特徴的なほくろ。
端正な顔立ちだけど
この笑顔が少し不気味だと思って後ずさると
「え！怖がらなくていーよ！君には何もしないよ？」と面白い小走りで近づいてくる。
「で？かわいこちゃん名前はー？」
「……A」
「Aちゃん？めーっちゃかわいい。歳は？」
「……18…」
「わっかあ〜〜！いいねえ。あ、何が得意なの？
獣使い？幻術？？あ、意外と空中曲芸とか！？」
「…………何もできません」
「へ？」ときょとん顔。
まんまるな目をもっと丸くさせて佐久間さんは
パチパチパチパチ瞬き。
私はその沈黙すら苦痛で
「だからこういうことでしか皆さんのお役に立てないんです」と呟いて、掃き掃除を再開する。
「何の才能もないけど引き取ってもらえたから。
…少し当たりが強くても虐められても別しょうがないというか」
「……だからさっきアイツらに？」
「……」
ほうきを持つ手をグイッと引き寄せられると、
私の身体は彼の腕の中にすっぽりと収まった。
そして「…辛かったね？1人ぼっちじゃんか」と
まるで子供にするみたいに頭を撫でられる。
「ねえねえ、何もできないなら佐久間の技少し分けてあげよっか？」
「……え？」
「俺はタネも仕掛けもない本物の超能力者だからワケないよ？……ほら、手貸して？」
彼にされるがまま左手を預けると、
ぎゅうっと繋がれた手から温もりが伝わる。
「…Aちゃんがいっちばん好きな動物とか想像してみて？」と耳元で囁かれ、目を閉じてハムスターを頭に思い浮かべると、
ふわり。
繋いだ手の間にやわらかな感触。
そっと目を開けると、
佐久間さんと私の手の間から、真っ白なハムスターがひょこりと顔を覗かせた。
「…す、すごい…」
「にゃははは、俺Aちゃんのこと気に入っちゃったからさ〜〜？」
「アイツら見返すの手伝ってあげんね？」と言った
佐久間さんはさらりと私の髪を撫でた。
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ありす - 全部凄く面白かったです！ドロドロ感が最高です！！特に奇術師の愛の地獄がぶっ飛んでいて好きです！！いつも楽しく読ませていただいております！！続き読めたら読みたいです！！いつも楽しい作品をありがとうございます🙇♀️ (7月31日 1時) (
レス) @page50 id: b62757b173 (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - ゆきさん» ゆき様心躍るコメントを有難うございます😭♡そんな風に言って貰えれば嬉しいなと思って書いていたのです！私自身こんなお話が好みでどうもダークめにしがちなのですが、その部分を共感して頂けているようですごく有難いです。心から感謝です😭♡ (2021年11月30日 19時) (レス) id: 33b6f5a04f (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - ユッピンさん» ユッピン様、お待ちしておりました（笑）とんでもない、ただのカタストロフィなんです😭(?) 3つも挙げて頂けて歓喜です！いつかユッピン様にドロドロが好きでと言って頂けてからこの路線で書いていくことに自分でもハマれました。本当にありがとうございます！♡ (2021年11月30日 19時) (レス) id: 33b6f5a04f (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - みりぽんさん» みりぽん様っっ！今回も最後まで見てくださってありがとうございます😭♡ニコイチは現代ぽくない上にぶっ飛びレベルがちょっとアレだったので不安でしたが…。そう言って頂けて本当に良かったです😭ありがとうございます♡ (2021年11月30日 19時) (レス) id: 33b6f5a04f (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - なかさん» なか様いつもありがとうございます！そんなに褒めて頂けて、もう…もう…羽ばたいちゃいそうです😭♡こちらこそ、毎度感動するご感想を送ってくださり心から感謝です！今後もどうぞよろしくお願いします🙇♀️ (2021年11月30日 19時) (レス) id: 33b6f5a04f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Haruno
| 作成日時：2021年11月6日 6時
