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はじまりの日の翌日。
この日も図書館に向かった俺は、いつもの席に昨日の彼の姿がないことに安心した反面、なぜか少し残念に思いながらも、勉強を始めた。
数学の問題集を数問解いた頃。
「あ、あの、」
「…ん？うわっ、びっくりした！」
少し休憩しようとシャーペンを置いて小さく伸びをしたとき。
控えめな声で俺に話しかけてきたのは、
昨日の彼だった。
いつの間に隣に立っていたのか。
「…どうかした？」
「いのお、せんぱい…ですか？」
「えっ？」
なんで俺の名前…？
「えっと…。」
何と反応していいかわからず、
とりあえずその彼を見つめていると、
彼は急にはっとした顔になって、
「あ、の、えと、ごめんなさい！」
顔を真っ赤にして頭を深く下げた後、くるりと反対を向き、逃げるように足早に歩き出した。
…それじゃあまるで、昨日の俺じゃないか。
「ふっ、はは、」
思わず笑いがこみ上げる。
背後から突然聞こえてきた笑い声に、
彼の足が止まる。
その隙に、俺は彼の手首を掴んで、
彼を俺の席まで再び連れてきた。
「え、？」
困惑した表情で不安そうに俺を見つめる彼は、
なんだか子犬のようで、とても可愛かった。
「君、名前なんて言うの？」
「へ？」
「名前。君は俺の名前を知ってるのに、俺は君の名前を知らないなんて、変だと思わない？」
俺の言葉にまた顔を真っ赤にした彼は、
小さな声で、
「山田、涼介です。」
と名乗った。
「そっか、じゃあよろしくね、山田くん。」
普段の俺なら、こんなよくわからない子と仲良くなろうなんて思わないけれど、彼は何かが違ったんだ。
…本能的に、惹かれた。
その赤く染まった頬に、
緊張と不安からか潤んだ瞳に、
女の子みたいに綺麗で白い肌に。
そのすべてが、今まで出会った誰よりも、
魅力的に思えた。
「はい、…。」
こくんと小さく頷いた山田くんは、
先程までよりは幾分か安心した顔をしていた。
俺に、少しくらいは気を許してくれたのだろうか。
それだけで、なんだか嬉しかった。
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ゆめまる。 - 早く更新して欲しい!! (2019年1月5日 22時) (
レス) id: 03ea0da012 (このIDを非表示/違反報告)
# や ま だ り さ(プロフ) - はじめまして！この作品とっても面白いです！これからも頑張ってください！あ、宣伝してもいいですか？「〜HSJのBL短編集〜」っていう作品を書いてるので是非見に来てください♪評価お願いします！ (2018年11月26日 7時) (レス) id: b6b48a1626 (このIDを非表示/違反報告)
りょんな - あんこさん» お読みいただきありがとうございました！素敵なお話だなんて…嬉しすぎるお言葉です…。 (2018年11月24日 23時) (レス) id: a65994f48d (このIDを非表示/違反報告)
りょんな - あひる☆さん» いつも楽しく読ませていただいております〜!!続き、書いてみようかなぁなんて思っていたり…！もしお話公開したら是非見に来てくださいね♪ (2018年11月24日 23時) (レス) id: a65994f48d (このIDを非表示/違反報告)
あんこ - はじめまして！とっても素敵なお話でした…お疲れ様でした！！ (2018年11月24日 17時) (レス) id: 31e5093717 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りょんな | 作成日時：2018年11月11日 17時
