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「まさかいのおせんぱいが、住ませてください、なんて強引すぎるお願い、聞いてくれるなんて思いませんでしたよ?」
俺、断られる気満々だったんですから。
と、目を閉じたまま口元だけ緩める。
そういえば、あの時の俺に、
断るなんて選択肢はなかったなぁ、と思った。
「断ってほしかった?」
「そんなわけないじゃないですか!」
「そっか、…なら、よかった。
…ねぇ、それじゃ、あのとき言った“秘密”って?」
「えーっと、なんで俺があんなところにいたのか、って話でしたよね?
あれは…ただの、強がりです。
秘密、って言えば、いのおせんぱい、ちょっとくらい俺に興味持ってくれるかなって。
だって、もしあの時、
“マンションの内見に来てました〜”
なんて言ってたら、何日も泊まらせたりしなかったでしょ?」
今度は悪戯っ子みたいに笑う。
ころころ変わる表情は見ていて飽きなくて、
やっぱり俺は、それを1番そばで見たいと願ってしまう。
山田くんは、俺が出来ないことをいとも簡単にやってみせる。
家事も、上手に甘えることも、
素直に自分の気持ちを言うことも。
…俺も、言わなきゃいけない。
「山田くん。…ごめん。
この前のことも、それからあの頃のことも。
俺、山田くんの気持ちなんかこれっぽっちも考えられてなかった。
今も昔も、山田くんを傷つけてばっかりで…。」
自分が言葉を紡ぐたびに、
今まで自分がしてきたことが思い出されて、
ぎゅうっと心臓を掴まれたように苦しくなる。
俺の言葉を黙って聞く山田くんの表情からは、
その感情は読み取れない。
「ねぇ、山田くん。
今更かもしれないけど、さ。
…好きだよ。あの頃からずっと。」
こんな最低な俺を許してくれるのならば、
もう一度、チャンスが欲しいよ。
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ゆめまる。 - 早く更新して欲しい!! (2019年1月5日 22時) (レス) id: 03ea0da012 (このIDを非表示/違反報告)
# や ま だ り さ(プロフ) - はじめまして!この作品とっても面白いです!これからも頑張ってください!あ、宣伝してもいいですか?「〜HSJのBL短編集〜」っていう作品を書いてるので是非見に来てください♪評価お願いします! (2018年11月26日 7時) (レス) id: b6b48a1626 (このIDを非表示/違反報告)
りょんな - あんこさん» お読みいただきありがとうございました!素敵なお話だなんて…嬉しすぎるお言葉です…。 (2018年11月24日 23時) (レス) id: a65994f48d (このIDを非表示/違反報告)
りょんな - あひる☆さん» いつも楽しく読ませていただいております〜!!続き、書いてみようかなぁなんて思っていたり…!もしお話公開したら是非見に来てくださいね♪ (2018年11月24日 23時) (レス) id: a65994f48d (このIDを非表示/違反報告)
あんこ - はじめまして!とっても素敵なお話でした…お疲れ様でした!! (2018年11月24日 17時) (レス) id: 31e5093717 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りょんな | 作成日時:2018年11月11日 17時