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# 19 ページ19

「ただいま。」



なんだか今日は仕事に集中できなかった。

昔のことを思い出していたからだろうか。
それとも、家に帰ってからのことを想像していたからだろうか。

なんだかもやっとするまま帰宅した、けれど。



「おかえりなさい!ご飯できてます!」



そんなもやもやはすぐに吹き飛んだ。
エプロン姿の山田くんがにっこり笑って出迎えてくれたから。

いつだったか、料理でも始めようと思い、まずは形からだと買ったエプロンがこんな風に役に立つとは思わなかった。



「可愛い。」



思わず口に出してしまったのに気づいたのは、
目の前の山田くんの顔が真っ赤に染まっていたから。



「い、のおせんぱい、ご飯食べますよ!」


照れてるのを隠すようにくるりと俺に背を向けた山田くんは、すたすたとキッチンへ戻っていく。


それでも耳が赤いのは隠しきれていなくて、
なんだかもうどうしようもなく、
愛おしく思ってしまって。


だから。



「山田くん、!」



気付いた時にはもう体が動いていて。



「わっ?!

いのおせんぱい…?」


背後から、キッチンへ向かおうとする君を抱きしめて、腕の中に閉じ込めていた。


一瞬はびくっとした山田くんが素直に腕の中に収まっているのをいいことに、俺は山田くんをくるりと回転させて俺と向き合う形にさせて。


そのピンク色の唇に、口付けた。



「んん、」



甘い響きを含むその声に、止まらなくなって、
もう一度唇をくっつける。


山田くんが抵抗しないから、なんて、
都合のいい言い訳なのはわかってる。

けど、



「んぁ、いのおせんぱっ、」



深く重ねるほどに甘くなるその声に、
我慢なんてできなかった。

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ゆめまる。 - 早く更新して欲しい!! (2019年1月5日 22時) (レス) id: 03ea0da012 (このIDを非表示/違反報告)
# や ま だ り さ(プロフ) - はじめまして!この作品とっても面白いです!これからも頑張ってください!あ、宣伝してもいいですか?「〜HSJのBL短編集〜」っていう作品を書いてるので是非見に来てください♪評価お願いします! (2018年11月26日 7時) (レス) id: b6b48a1626 (このIDを非表示/違反報告)
りょんな - あんこさん» お読みいただきありがとうございました!素敵なお話だなんて…嬉しすぎるお言葉です…。 (2018年11月24日 23時) (レス) id: a65994f48d (このIDを非表示/違反報告)
りょんな - あひる☆さん» いつも楽しく読ませていただいております〜!!続き、書いてみようかなぁなんて思っていたり…!もしお話公開したら是非見に来てくださいね♪ (2018年11月24日 23時) (レス) id: a65994f48d (このIDを非表示/違反報告)
あんこ - はじめまして!とっても素敵なお話でした…お疲れ様でした!! (2018年11月24日 17時) (レス) id: 31e5093717 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りょんな | 作成日時:2018年11月11日 17時

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