山田くん、拾いました。- i n × y m -

# 15 ページ15

＿＿ジリリリリ


今日も同じ目覚ましの音で目を覚ました。
…少しの違和感とともに。



「んぅ、おはようございます、いのおせんぱい。」



広いとは言い難いベッドの上で、
山田くんと俺は一緒に目を覚ました。


…一緒に寝てたのか。



「おはよ、山田くん。」



眠そうに目を擦る山田くんが、
服を着ていることに安心した。

徐々に昨日の記憶が蘇る。

昨日は、山田くんが作ってくれたご飯を食べたあと、アイスは食べずに寝てしまったんだ。

俺も、山田くんも、疲れていた。



「もうちょっと寝てたら？」



俺の言葉に、山田くんは首を振る。



「いのおせんぱいと一緒に朝ごはん食べたいの…。」



寝ぼけてるのか、敬語を忘れている山田くん。
昔、敬語やめてよって言ったら頑なに断られたことをふと思い出して、少し笑う。


そんなとき、軽快なリズムを刻む場違いな機械音が聞こえた。炊飯器の音だ。

今日の朝炊き上がるように、昨日山田くんが用意しておいてくれたみたい。



「ありがとね。」



「ん、…。」



こくこくと頷くなんだか子供みたいな山田くんの頭をぽんぽんっとしてから、ベッドから出た。

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