あっちもこっちも全部俺！ 2

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時間は午後2時。ランチタイムも過ぎ、そろそろお昼の営業を終わろうかと言うところで、思わぬ客が訪れた。

『何しに来たんですか？よく平気でここに来れましたね。』

隆二「少し話をしたくて。」

今さらのこのこやって来て話をしたいなんて、何て虫のいい話だよ。

女「私片付けやっとくからさ、話ぐらい聞いてあげなよ。」

彼女の手前今市を追い返す訳にもいかず、俺は1番奥のテーブルに今市を案内した。

『今さら何の話ですか！？』

隆二「俺、会社を辞めてきた。」

『だから何なんですか？そんなこと俺には関係ないですよ！』

隆二「登坂と彼女……どうなった？」

そんなのお前の想像通りだよ！！
大スクープを物にして満足したか！？

隆二「彼女、お前の姉さんなんだろ？それに出没情報を書き込んだのも。」

『だったらどうだって言うんです？俺は何も話す気はありませんから。』

隆二「俺の個人的な思いで、お前の姉さんを傷つけて悪かった。本当にごめん。」

ふざけんなよ！
お前が謝ったところで状況は何も変わらないんだよ！！
謝れば許されるとでも思ってるのか！？
思い上がるのもいい加減にしろよ！！

隆二「許してもらえるとは思ってないよ…。キミにもキミの姉さんにも、広臣にも…。」

『だったら帰ってもらえますか！？』

俺が席を立とうとした時、うつむいたままの今市が咄嗟に俺の腕を掴んだ。

隆二「俺は……広臣とは半分しか血が繋がってないんだ…。正直一緒に暮らした記憶も殆どない。なのに……なのに俺は広臣を憎んでた。自分の置かれた環境を受け入れたくなくて、やり場のない怒りを何も知らない広臣にぶつけてたんだ…。」

登坂とは半分しか血が繋がってない？
そんな情報はどこにも…。

隆二「知ってるのは近しい身内だけ。だから外に情報が漏れなかったんだ。」

少し話が気になった俺は、改めて席に座り直した。

『全部話せよ。聞くだけ聞いてやる。』

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